<兜町カタリスト> 「マイ変だ」
あれこれ詮索する向きも少なかったがFOMCは通過。
常識的には何もなくての着地が当然の帰着。
なのに市場関係者が騒ぐからムードだけは「FOMC待ち」になる。
12月16日にようやく重い腰を上げて利上げした次のFOMCに何があるというのだろう。
雇用統計とFOMCに終始する経済スケジュール投資の弱点でもあろうか。
とはいえ・・・。
米利上げ以降の下落率はNYダウ9%、NASDAQ10%とキツイ。
利上げ決定時のNYダウは224ドル高、S&P500は29ポイント高。
利上げ好感だったが、結論は従来通りの利上げ後株安。
フツーは3週間程度で落ち着くのが常識的だが、今回はここに原油とチャイナが加わったのが余計だった。
今朝の不可解は二つ。
一つはボラティリティインデックスの日米の違い。
NY株は下落しているもののVIX(恐怖)指数は23.42とフツーの水準。
しかし日経VIは38.11と高止まりして下がってこない。
昨日の日経平均400円高でもVIは若干上昇。
これが20ポイントレベルまで下げてこないと落ち着かない。
二つ目は空売り比率の高どまり。
日経平均大幅上昇にもかかわらず空売り比率は41.8%。
昨日の上げを信じなかったのか、自動的な空売りが減らないのか。
あるいは今日の相場は下げと見たのか、理由は定かではない。
しかし目の前を「変だ」という事柄が通り過ぎている。
大きく反落したNY株だったが、シカゴの戻りはそれほどの下げでもない。
円ベースでは昨日CME終値と同じ水準。
ということは、続伸の可能性もあるということになろうか。
続伸記録の点ではNY先行だったが昨日の反落で東京にアドバンテージとなった。
今日続伸できれば、明日3日続伸記録更新へのエントリー。
日銀金融決定会合に期待する訳ではないが、ボラの低下と投資心理の復活は求めたい。
未来へタスキをつなぐ希望の日となって欲しいところ。
そのボラだが、今年に入っての225先物の日中値幅は200円以上となっている。
大納会が130円だったが、大発会580円、5日が240円。
7日510円、15日570円、20日710円、21日790円。
26日は210円と低下し昨日が300円。
17営業日のうち500円超の下落5回、上昇2回。
短期に暴れる向きは日々存在しているし、この回数が売り買い逆転すれば売り方も安穏ではない。
因みに松井証券経由の信用評価損率速報の売り方はマイナス7.209%。
1週間前はマイナス0.233で我が世の春だったが一転含み損もでてきた。
信用評価損率ゼロ近辺で株価反転のアノマリーは今回も生きた。
一方買い方はマイナス14.267%。
1週間前のマイナス21.138%からは好転した。
売り方のマイナス率との逆転が株価上昇加速のサインとなろう。
目標がなければ動けないのが市場心理であるならば・・・。
そのシルシの第一関門は1月SQ値17420円だろうか。
「大変だ」という市場関係者の声には何の権威も正統性もない。
むしろ「マイ変だ」に気が付き、着目することが株式投資のだいご味の一つ。
無条件に市場関係者の声を信じるのではなく、おかしな部分に気がつくことが重要。
ただ、性格は相当悪くなるだろう。
最近は中島敦の山月記の隴西の「性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く」が理解できてきたような気がする。
日経平均の25日移動平均は17816円で3.66%のマイナスかい離。
75日線は18691円で8.17%のマイナスかい離。
200日線は19336円で11.24%のマイナスかい離。
一目均衡の雲も勝手雲もまだ何も示唆しては見えない。
騰落レシオは63.12と低水準なまま。
サイコロは5勝7敗で41.7%と復活感。
Quick調査の信用評価損率(1月22日現在)はマイナス16.62%で3週連続悪化。
裁定買い残は2252億円減少し2兆1123億円で3週連続の減少。
因みに売り残は565億円増の4390億円。
15年9月4日の過去最高水準6260円までまだ間があるがそれ以来の水準。
日経平均採用銘柄のPERは14.31倍(EPSは1199円)。
グーグルは予想より10年早く囲碁最強の可能性のあるAIを開発。
中古マンション価格は上昇継続。
国内乗用車8社の2015年の世界生産台数は4年連続で過去最高更新。
銅の国際価格も上昇し始めた。
そろそろ啓蟄を迎えてもよかろう。