【オープニングコメント】
28日の東京株式市場は、もみ合い展開か。
日経平均株価の予想レンジは1万6900円-1万7300円を想定する。
欧州株は原油高を好感して上昇。一方、米国株式市場は3月利上げに含みを残した米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文が失望材料となり、声明文発表後に値を下げる動きとなった。
米国株失速は懸念材料ではあるが、原油価格が持ち直していることに加え、ドル円も昨日の東京株式市場の水準よりは円安に振れている。
日銀金融政策決定会合の結果発表を控えていることから、売り一色とはなりづらく、1万7000円近辺で寄り付いた後は下げ渋ると予想する。緩和期待から売り一巡後にプラス転換するような展開も十分想定される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1800万株、買い1070万株で、差し引き730万株の売り越し。売り越しは2営業日ぶり。金額は買い越し。
売りセクターに、化学、商社、電機、情報通信、その他金融、不動産、REIT、紙パルプなど。
買いセクターに、サービス、化学、通信、建設、機械、保険、電機、薬品など。
【個別材料】
ザイン<6769>
シリコンライブラリ(神奈川県川崎市)と資本・業務提携、同社を持分法適用関連会社に。
ベリサーブ<3724>
16年3月期の単体業績予想を上方修正、期末配当予想を従来の7.5円から10円(前期実績7.5円)に増額。
【予定】
■28(木)
【国内】
12月小売売上高(8:50)
日銀金融政策決定会合(~29日)
2年国債入札
《決算発表》
ファナック、キーエンス、OLC、信越化、三住トラスト、大和証G、大東建、NRI、ヤマトHD、NEC、大ガス、オムロン、小糸製、積水化、川重、日立金、コニカミノルタ、SCSK、日立建、富士電機、サイバエージ、CTC、H2Oリテイル、ゼオン、カプコン、山九、九電工、エクセディ、アンリツ、日立マクセル、一休など
【海外】
NZ準備銀行金融政策決定会合
英10-12月期GDP(18:30)
ユーロ圏1月消費者信頼感(19:00)
ブラジル12月失業率(20:00)
独1月消費者物価速報値(22:00)
米12月耐久財受注(22:30)
米12月中古住宅販売仮契約(29日0:00)
米7年国債入札
《決算発表》
パルト・グループ、アンダーアーマー、マイクロソフト、ビザ、ニューコア、フォード、アリババ集団
※記載された予定は、予告なく変更される可能性があります。

【NY概況】
27日のNYダウ工業株30種平均は前日比222ドル77セント安の1万5944ドル46セントと反落した。
ナスダック総合株価指数は同99.506ポイント安の4468.167で終えた。
米連邦準備理事会(FRB)はこの日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)声明に「世界景気や金融環境の進展を念入りに注視する」との文言を加えた。
景気に配慮した声明だったとの評価が聞かれた一方、3月のFOMCでの利上げ観測を後退させるほどの内容ではなかったとの受け止めがあり、FOMC後は売りが優勢になった。
主要企業の冴えない決算を嫌気して売りが先行、アップル、ボーイングなど四半期決算を発表した銘柄をはじめ、企業業績の不透明感から売りが膨らんだ。
前日夕に発表した決算で主力のスマートフォンiPhoneの販売が鈍ったことが嫌気されたアップルが約6%安。朝方発表の決算と併せて公表した2016年12月期通期の業績見通しが慎重と受け止められた航空機のボーイングはほぼ9%安だった。2銘柄でダウ平均を120ドル程度押し下げた。
ドル高が想定以上に輸出企業の業績を圧迫していることが明らかになった。業績回復が遅れるとの見方もあり、幅広い銘柄に売りが出た。
セクター別では、電気通信サービスや銀行が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器やソフトウェア・サービスが下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
15,944.46 -222.77
S&P500種
1,882.95
ナスダック
4,468.167 -99.506
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は前日比横ばいで取引を終えた。3月物の終値は前日から変わらずの1万7055円だった。27日の大阪取引所の終値(1万7170円)を115円下回った。
NYダウ平均の220ドル超安などにつれた売りが出た。ただ、売りを一方的に膨らます材料にも欠き、方向感は出にくかった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て) 17055 ( -115 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て) 17085 ( -85 )
( )は大阪取引所終値