
【前引け概況】
22日午前の日経平均株価は3日ぶりに大幅反発し、前日比575円58銭高の1万6592円84銭で終えた。東証1部全体の97%の銘柄が上昇、前場は高値圏で着地した。
日本や欧州の金融当局が追加緩和に踏み切るとの期待が強まり、投資家心理が改善。日経平均は年明けから水準を大きく切り下げていたことも手伝い、短期的な戻りを期待する買いが入った。
欧州中央銀行(ECB)が追加緩和を示唆したことが好感されたほか、原油安にも歯止めがかかり、運用リスクをとる動きを促した。
金融政策決定会合を来週後半に控え、日銀による追加緩和期待もじわり高まった。22日付の日本経済新聞朝刊が「日銀内部で追加緩和論が浮上している」と報道。金融緩和の恩恵を受けるとされる不動産や金融株などに買いを呼び込んだ。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1218億円、売買高は11億3799万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1878と、全体の97%を占めた。値下がりは35、変わらずは22銘柄だった。
個別では、主力のトヨタやソニーが上昇。三菱UFJやみずほFGなどメガバンクも買われた。産業革新機構主導で再建を目指すことが固まったと伝わったシャープも大幅高。任天堂、ブリヂストンなども上昇。サイバネットシステムがストップ高、ダブル・スコープ、東邦チタニウムども値を飛ばした。一方、前期決算が低迷したタムロンが大幅安。日本電産、JALが軟調、ファンケルも売られた。
東証2部指数は3日ぶりに反発した。2部指数は、前日比100.22ポイント高の4237.64となった。個別銘柄ではラオックスや朝日インテクなど主力銘柄は全般に上昇した。
土木管理試験所がストップ高。ウインテスト、ピクセラ、青山財も買われた。半面、日タングス、東急レク、ぷらっとなどが売られた。
■日経平均株価 16,592.84(+575.58)
■日経平均先物 16,570(+570)
■東証1部出来高 11.37億株
■東証1部売買代金1.12兆円
■TOPIX 1,345.43(+43.94)
■騰落 上昇1,878/下落35
■日経JQ 2,387.93(+29.84)
■マザーズ指数 765.79(+38.87)

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は3日ぶりに反発した。前引けは前日比29円84銭高の2387円93銭だった。
新興企業株にも買いが向かった。このところ下げ基調が続いていたため、自律反発を見込んだ買いも入りやすかった。金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」の関連銘柄の一角が物色された。
ジャスダック市場の売買代金は概算で273億円、売買高は8764万株。個別銘柄ではリバーエレテク、テクノホライゾン、カルナバイオ、菊池製作所、FVCやメッセージ、マクドナルドが上昇した。一方では、シスロケ、レイやドーン、エスケーエレ、ジオマテック、ロジコムが下落した。
東証マザーズ指数も3日ぶりに反発。前引けは前日比38.87ポイント高い765.79だった。個別銘柄では、前日に2016年3月期の業績予想を上方修正したミクシィが買われた。リアルワールド、セレス、地盤ネットHD、そーせいやジグソーも高い。半面、グリンペプ、データHR、アクアライン、海帆やアンビションは下げた。