
【前引け概況】
19日午前の日経平均株価は4日続落し、前日比121円44銭安の1万6834円13銭で午前の取引を終えた。
前日の欧州株市場が金融株の下げを背景に軟調に推移したこともあって売り優勢で始まった。その後は先物を絡め一進一退の動きを続けたが、前場後半に急速に値を崩す展開となった。
日本時間11時発表の中国の2015年10~12月期国内総生産(GDP)は、おおむね市場予想に沿った結果だった。発表直後は安心感が広がり買いを促した。日経平均の上げ幅は一時100円超にまで拡大したが、その後は上値の重さが目立ち始め、買いの勢いが続かなくなった。
その後はメガバンクの下げなどが全体の地合いを悪化させ、日経平均は前場の安値圏で着地する格好となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は4日続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆337億円、売買高は11億87万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1163と、全体の6割を占めた。値上がりは609、変わらずは161銘柄だった。
個別ではキリンHDが安い。今期の営業利益が伸びると伝わったが、売りに押された。ソフトバンクグループが安く、メガバンクの三菱UFJと三井住友FGや、セブン&アイとJTも下げた。ネクスト、GMOなどが大幅安、アクリーティブも値を下げた。
一方、「民泊」事業へ参入すると伝わった大京が上昇。好業績の観測が出た大王紙が高い。日電産と任天堂も上げた。新日鉄住金も堅調。タカキタが値を飛ばし、ドトール・日レスホールディングスも大幅高。
東証2部株価指数は4日続落。前引けの2部指数は、前日比21.11ポイント安の4348.96となった。
個別銘柄ではラオックスや朝日インテク、エルミック、アップルインター、タカトリが上げ、アサヒ衛陶、村上開明、ぷらっと、アップルとSFJが下げた。

【新興株前引け】
日経ジャスダック平均株価は小反発した。前引けは前日比4円54銭高の2455円94銭だった。前日まで大幅下落した反動で、短期的な戻りを期待した買いが入った。売買材料が出て、値動きも比較的大きい個別株を物色する動きもみられた。
不安定な展開が続いた日経平均株価と比べ、プラス圏を維持した日経ジャスダック平均だが上昇の勢いは乏しかった。三井住友アセットマネジメントの木村忠央シニアファンドマネージャーは「追い証(追加担保の差し入れ義務)の発生もあり、投資家は弱気姿勢を継続している」と指摘。
ジャスダック市場の売買代金は概算で288億円、売買高は9934万株だった。
個別銘柄ではガーラがストップ高。民泊事業の連想買いが入りアパマンショが買われ、タツモ、太洋工業、ドーンや倉元も上昇した。半面、時価総額の大きいマクドナルドやセリアが下げ、FVCやアイサンテク、フィスコ、プロパストトレイダーズHDも下落した。
東証マザーズ指数は続落した。前引けは前日比1.58ポイント安い783.07だった。
前場中ごろまではプラス圏で推移していたが、地合いの悪化を背景に売りが増えた。
個別銘柄ではミクシィやサイバダインなど主力株が相場を押し下げた。ファーストロジ、イトクロ、モバファクなど売られた。一方、リボミックがストップ高。UMN、インベスターズC、ALBERT、そーせいやメタップスなどは上げた。