
【大引け概況】
29日の日経平均株価は続伸し、前日比108円88銭高の1万8982円23銭で終えた。前日の欧米株市場が総じて軟調に推移したことで買い手掛かり材料に乏しく、朝方は買い手控え感が強かった。
しかし、売りが一巡すると、個人投資家中心に中小型物色の流れが強まり、全体も徐々に買いが優勢となった。遅れて始まる中国・上海株市場などアジア株が堅調な動きをみせたことも投資家心理にプラスに働いた。
年末で新規材料に乏しく売り注文が細るなか、このところ下げが目立っていた銘柄を中心に買い戻す動きが活発化した。
JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比129.97ポイント高の1万3926.95だった。
東証株価指数(TOPIX)も続伸し、14.17ポイント高の1543.39で終えた。
日本郵政グループ3社は30日にTOPIXの構成銘柄に追加される。TOPIXに連動させて運用するファンドは29日の大引けにかけて3社を組み入れ、他の指数採用銘柄の一部を売却したようだ。こうした動きを見込み、「あらかじめ郵政グループ株を買い、TOPIX先物を売っていた短期志向の投資家が利益確定のために反対売買に動いた」(大手証券)といい、TOPIX主導の株高につながったようだ。日本郵政、ゆうちょ銀、かんぽ生命は軟調な値動きが続き、3銘柄そろって安値引けとなった。下落率は日本郵政が4.15%に達した。
東証1部の売買代金は概算で1兆7689億円。売買高は15億7873万株だった。日本郵政グループ3社のTOPIX採用に絡んだ売買が大引け時点であったものの、全体的に低調な商いが続いた。
東証1部の売買代金は5日連続で2兆円を割り込んだ。東証1部の値上がり銘柄数は1557と全体の8割を占めた。値下がりは277、変わらずは101だった。
個別では、日本水産が物色人気となり、村田製作所、アルプス、任天堂なども大きく買われた。三菱UFJなど3大銀行グループがそろって上昇。武田やアステラスなど医薬品株も総じて堅調だった。値上がりも目立った。一方、ファストリやソフトバンク、ファナックといった値がさ株は下落。トヨタも売られた。新日鉄住金やJFEも下げた。リニカル、アイスタイルが急落、ミツバ、東京製鉄も大きく値を下げた。
東証2部株価指数は3日続伸だった。ラオックスと象印が上げ、ヨネックスと日本エスコンが下げた。

日経ジャスダック平均株価は続伸した。終値は前日比13円41銭高の2623円93銭だった。アジア株高などを追い風に、日経平均株価は一時100円超上昇。投資家心理の改善は新興市場にも広がった。フィンテックなどのテーマ株に資金が集中した。ただ、にぎわったのは一部の銘柄で物色に広がりはなく売買は盛り上がりに欠けた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で617億円、売買高は1億4041万株だった。個別銘柄ではJHDがストップ高。FVCやフィスコ、アクモスなどが上昇した。一方、トレイダーズやアイサンテク、クルーズ、ハピネス&D、ミナトHDなどが下落した。
東証マザーズ指数も続伸した。終値は前日比12.25ポイント高い874.24だった。個別銘柄ではASJ、アークンがストップ高。そーせい、夢展望、ロックオン、ITbook、サイバダイン、インフォテリなどが上昇した。半面、マイネット、ソーシャルワイヤ、Hamee、ソネットMN、ミクシィなどが下落した。
【指標一覧】
終値 |
|
|
日経平均株価 |
18,982.23 |
108.88 |
日経平均先物 |
18,980.00 |
80.00 |
TOPIX |
1,543.39 |
14.17 |
TOPIX先物 |
1,543.50 |
13.50 |
東証2部指数 |
4,686.18 |
37.33 |
JASDAQ |
2,623.93 |
13.41 |
マザーズ |
874.24 |
12.25 |
出来高 |
|
|
東証1部 |
1578730 |
1768994 |
東証2部 |
98170 |
25680 |