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11月05日 個別銘柄情報 [7840]フランスベッドホールディングス

[11月05日更新]

フランスベッドHDは年初来高値に接近、第2四半期累計大幅増益や自己株式取得を評価

 フランスベッドホールディングス<7840>(東1)はシニア・シルバービジネス分野を中心に介護・インテリア関連事業を展開している。10月30日に発表した第2四半期累計(4月~9月)の大幅増益や自己株式取得を好感して、株価(10月1日付で株式併合)は6月の年初来高値に接近している。16年3月期収益改善基調で実質増配予想であり、安倍晋三首相が「新3本の矢」で掲げた「介護離職ゼロ」関連銘柄だ。上値追いの展開だろう。

■シニア・シルバービジネスに事業展開

 成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトして、メディカルサービス事業(介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営)、インテリア健康事業(家庭用高級ベッド、医療・介護用ベッド、リハビリ商品)、その他事業(日用品雑貨販売など)を展開している。

 独自の新商品・新サービスでは、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレス、超低床リクライニングベッド、アクティブシニア向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車、ハンドル型電動三輪車いす、リフトアップチェア、電動リフトアップ車いす、在宅・病院・福祉施設向けの見守りケアシステム、徘徊防止外出通報システム、超低床フロアーベッド、体位変換マットレスなどの新製品を積極投入して、介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を推進している。

 15年9月には、さまざまな形に変えてリラックスできる新製品「スリープバンテージ フルール」を発売した。適度な柔らかさと弾力性のある中わたの発泡ビーズと特殊な縫製の組み合わせによって、形を変えても元の形に戻らずに、そのままの形を維持するドーナツ状のクッションである。

 新規販売チャネル開拓では、病院・施設向けに加えて、20年東京夏季五輪開催に向けて需要が拡大しているシティホテル向けの拡販も強化している。

■営業損益は15年3月期第2四半期をボトムに改善基調

 なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)123億85百万円、第2四半期(7月~9月)125億64百万円、第3四半期(10月~12月)127億84百万円、第4四半期(1月~3月)141億74百万円、営業利益は第1四半期5億16百万円、第2四半期2億86百万円、第3四半期4億94百万円、第4四半期4億27百万円だった。

 営業損益は第2四半期がボトムとなって改善基調だ。また15年3月期の配当性向は106.5%だった。ROEは14年3月期比1.4ポイント低下して2.4%、自己資本比率は同3.0ポイント上昇して62.7%となった。

■16年3月期収益改善基調

 10月30日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)連結業績は、売上高が前年同期比2.8%増の256億51百万円、営業利益が同48.9%増の11億94百万円、経常利益が同47.1%増の11億76百万円、純利益が同76.5%増の6億56百万円だった。メディカルサービス事業の好調が牽引して増収、大幅増益だった。売上総利益率は47.6%で同0.2ポイント低下したが、販管費比率は42.5%で同1.6ポイント低下した。

 セグメント別に見ると、メディカルサービス事業は売上高が同6.3%増の142億53百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.9%増の10億61百万円だった。営業拠点の新設、前期から在宅介護部門へ投入した「超低床リクライニングベッドFLB-03」のテレビCM継続、15年4月から介護保険給付対象となった介助式電動車いす「SP40-K」など「リハテック」ブランドの新商品投入や出張試乗会の実施など、営業強化策が奏功して増収、大幅増益だった。

 インテリア健康事業は売上高が同2.0%減の96億46百万円、営業利益が同2.3倍増の1億69百万円だった。消費増税後の需要低迷が続いているが、新商品投入や新販路開拓に注力して営業損益が改善した。その他事業は売上高が同3.1%増の17億51百万円、営業利益が53百万円の赤字(前年同期は7百万円の赤字)だった。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)125億55百万円、第2四半期(7月~9月)130億96百万円、営業利益は第1四半期6億31百万円、第2四半期5億63百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比3.0%増の535億円、営業利益が同27.6%増の22億円、経常利益が同23.1%増の21億50百万円、純利益が同21.5%増の11億円としている。

 セグメント別の計画は、メディカルサービス事業の売上高が同4.4%増の296億50百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同7.1%増の17億80百万円、インテリア健康事業の売上高が同1.2%増の202億40百万円、営業利益が同3.2倍の3億20百万円、その他の売上高が同2.9%増の36億10百万円、営業利益が45百万円(前期は66百万円の赤字)としている。

 メディカルサービス事業では人員増強、拠点拡充、新製品投入によって、市場拡大が見込まれる介護関連レンタル市場での拡販に注力する。インテリア健康事業では魅力的なデザインの新商品投入、高機能・高付加価値製品の拡販を強化する。20年東京夏季五輪開催に向けてシティホテル向けの拡販も強化する方針だ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が54.3%、経常利益が54.7%、純利益が59.6%である。消費増税の反動影響一巡、ドル高・円安進行に伴う国産品の価格競争力回復、原材料価格上昇に伴う価格改定なども寄与して収益改善基調であり、通期業績の会社予想に増額余地がありそうだ。

 なお16年3月期の配当予想は、第2四半期末が2円50銭、期末が10月1日付株式併合(5株→1株に併合)に伴って12円50銭としている。株式併合後に換算すると年間25円となり、前期の年間4円50銭を株式併合後に換算した年間22円50銭に対して実質的に2円50銭増配となる。

■中期経営計画でシルバービジネスをさらに強化

 15年5月にグループ中期経営計画を発表した。基本方針としては、本格的な高齢社会で求められるニーズに対応するため、グループが保有する経営資源を集中させ、シルバービジネスのさらなる強化と積極的な展開を図ることにより「グループ総体としての企業価値の最大化」を目指すとした。

 主要戦略については、得意分野の強化(主力のメディカルサービス事業における福祉用具貸与事業を中心とした介護事業の深耕と事業基盤の拡充)、新たな収益機会の獲得(介護保険制度に対する過度な依存による収益変動リスクを避けるため、介護保険給付を利用しないアクティブシニア向け「リハテック」事業の拡大)、安定的に収益を確保できるビジネスモデルへの転換(インテリア健康事業における量から質への転換、他社との差別化、多品種少量生産に対応した受注生産方式などによる安定的な収益確保)、経営基盤の強化(事業成長のための人材育成、コーポレートガバナンスの強化)としている。

 経営目標数値としては18年3月期売上高578億円、営業利益34億50百万円、経常利益34億円、純利益20億円、ROE5.1%を掲げた。セグメント別にはメディカルサービス事業の売上高328億50百万円、営業利益(全社費用等調整前)29億50百万円、インテリア健康事業の売上高212億円、営業利益4億40百万円、その他事業の売上高37億50百万円、営業利益40百万円とした。

 メディカルサービス事業の営業拠点は15年3月期末の74ヶ所から18年3月期末83ヶ所、レンタル・販売代理店は1500店から2000店への拡充を目指す。

 株主還元については、従来同様に安定配当を維持し、毎期1株あたり25円以上の配当(15年10月実施の株式併合後)を目標として、機動的な自己株式取得の実施を検討する。

■15年10月1日付で株式併合、自己株式取得も実施

 なお15年10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更し、併せて証券取引所が望ましいとしている投資単位の水準とすることを目的として5株を1株に併合した。株式併合により発行済株式総数が5分の1に減少するが、純資産等は変動しないため1株当たり純資産額は5倍となり、株式市況の変動など他の要因を除けば当社株式の資産価値に変動はない。

 また10月30日に自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限100万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合2.37%)、取得価額総額の上限10億円、取得期間15年11月2日~16年1月29日としている。

 そして11月2日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式取得を実施した。買付価格951円で、取得株式数36万株、取得価額総額3億4236万円だった。

■株価は年初来高値に接近

 株価の動き(15年10月1日付で株式併合)を見ると、9月29日の直近安値832円から切り返して戻り歩調の展開となった。そして11月2日には974円まで上伸して6月の年初来高値985円に接近した。10月30日に発表した第2四半期累計の大幅増益や自己株式取得も好感したようだ。

 11月2日の終値971円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円68銭で算出)は37~38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想に株式併合を考慮した年間換算25円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式併合を考慮した連結BPS870円50銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約436億円である。

 日足チャートで見ると目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、26週移動平均線が上抜きに転じた。強基調への転換を確認した形だろう。また6月の年初来高値985円を突破すれば大勢900円台のボックスレンジから上放れの形となる。16年3月期収益改善基調で実質増配予想であり、安倍晋三首相が「新3本の矢」で掲げた「介護離職ゼロ」関連銘柄だ。上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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