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10月29日 個別銘柄紹介

[10月29日更新]

エスプールは改正労働者派遣法も追い風で16年11月期は成長軌道へ回帰

 エスプール<2471>(JQS)はロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなどを中心に人材サービス事業を展開している。15年11月期はスマートメーター設置業務の先行費用負担だが、16年11月期は成長軌道への回帰が期待される。改正労働者派遣法も追い風だ。株価は15年11月期減益予想を織り込んで下値固め完了感を強めている。出直り展開だろう。

■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなどの人材サービス事業

 ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、フィールドマーケティングサービス、マーチャンダイジングサービス、販売促進支援業務、顧問派遣サービスなど)、人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、携帯電話販売員派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。

■ロジスティクス分野はネット通販市場拡大が追い風

 ロジスティクスアウトソーシングサービスは子会社エスプールロジスティクスがECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行サービスで新規顧客獲得を推進している。ネット通販市場の拡大やインバウンド需要の増加を背景として物流センターの稼働率は高水準である。

■障がい者雇用支援サービスを拡大

 障がい者雇用支援サービスは障がい者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートしている。子会社エスプールプラスが運営する企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大する方針だ。

 千葉県市原市「わーくはぴねす農園 市原ファーム」では23社の企業がサービスを利用し、14年6月新設の千葉県長南町「わーくはぴねす農園 茂原ファーム」も完売した。15年2月には第3農園となる山武農園を開設した。また15年4月には知的障がい者の雇用を促進するため、年内に「わーくはぴねす農園」を3ヶ所増設すると発表した。

 15年2月には就労移行支援事業所「障がい者就職塾」千葉校を開設すると発表している。千葉校開設で「障がい者就職塾」のネットワークは5拠点となる。これまで4年間で約150名の知的障がい者が就職し、退職率が1%未満という高い定着率を誇っている。

■電力会社のスマートメーター関連業務を育成

 フィールドマーケティングサービスでは、新規分野として電力会社が推進するスマートメーター関連業務を育成する。14年9月に子会社エスプールエコロジーが一般建設業(電気工事業、電気通信工事業)の許可を取得し、移動通信キャリアの通信・ネットワーク機器の設置業務、電力計のスマートメーター化に関連したサポート業務を開始した。

 15年3月には子会社エスプールエンジニアリングの設立と、大規模な工事を請け負うことができる特定建設業(電気工事業、管工事業)の許可取得を発表した。新会社設立に伴ってエスプールエコロジーが行っていた業務についても新会社に順次移管する。

 15年5月には、エスプールエンジニアリングが東京電力<9501>からスマートメーター設置業務を受注した。東京電力は20年度までに約2700万台のスマートメーター設置を予定し、このうちの約540万台分の入札で約24億円分の業務(工事履行期間15年7月1日~17年3月20日)を受注した。今回の受注を皮切りに、確実に実績を積み上げて全国各地域での受注を目指す。

■販売促進支援分野は収益性向上目指す

 人材ソリューション事業(子会社エスプールヒューマンソリューションズ)では、ファミリーマート<8028>のFC店舗向けに人材提供を一括で行う「人材サポートセンター」を設立し、コンビニエンスストア向けストアスタッフサービスを強化している。

 14年11月には販売促進支援業務に特化した子会社エスプールセールスサポートを設立した。マーチャンダイジング業務、クレジットカードなどの会員獲得業務、販売イベントブースの運営業務などの販売促進支援業務を集約し、事業拡大と収益性向上を目指す。

 また15年6月にはフルキャストホールディングス<4848>と業務提携した。当社の各種アウトソーシングノウハウとフルキャストの全国規模での採用力を組み合わせることで競争力のあるサービスを提供し、大規模アウトソーシング案件の受注に向けて営業協力を開始する。調査・キャンペーン業務、セールスプロモーション業務の分野を中心に初年度10社の受注を目指すとしている。

■15年11月期は先行投資負担だが、16年11月期は成長軌道へ回帰

 今期(15年11月期)第3四半期累計(12月~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.0%増の52億38百万円だが、営業利益が59百万円の赤字(前年同期は1億55百万円の黒字)、経常利益が66百万円の赤字(同1億47百万円の黒字)、純利益が1億24百万円の赤字(同1億21百万円の黒字)だった。

 ビジネスソリューション事業のロジスティクスアウトソーシングサービスはインバウンド需要やネット通販市場の拡大を背景として、また人材ソリューション事業のコールセンター業務は人材不足を背景として、いずれも好調に推移した。ビジネスソリューション事業の障がい者雇用支援サービスは第3農園が完成し、新規企業への農園設備の販売および障がい者の採用支援業務が順調に増加した。

 ただしビジネスソリューション事業のフィールドマーケティングサービスにおいて、15年7月業務開始のスマートメーター設置業務に係る先行準備費用(約200名の採用・研修費、業務開始前の人件費負担、14ヶ所の事務所開設費および工具購入費など約1億50百万円の先行支出)の発生、さらに本社移転に係る費用36百万円の特別損失計上などで、各利益は赤字となった。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、ビジネスソリューション事業は売上高が同8.9%増の21億37百万円、営業利益が同90.4%減の18百万円、人材ソリューション事業は売上高が同5.9%増の31億29百万円、営業利益が同6.5%増の2億55百万円だった。スマートメーター設置業務については、開始当初は安全性を最優先として伸長に業務を遂行しているため、第3四半期(6月~8月)には採算ベースに至っていないようだ。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)16億61百万円、第2四半期(3月~5月)17億77百万円、第3四半期(6月~8月)18億円、営業利益は第1四半期22百万円の赤字、第2四半期53百万円、第3四半期90百万円の赤字だった。 

 通期の連結業績予想は、前回予想(7月2日に売上高を増額、利益を減額修正)を据え置いて、売上高が前期比13.8%増の75億18百万円、営業利益が同27.2%減の1億50百万円、経常利益が同26.8%減の1億40百万円、純利益が同59.7%減の66百万円としている。配当予想は前回予想(1月14日公表)を据え置いて、前期と同額の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は45.0%となる。

 東京電力のスマートメーター設置業務を15年7月開始するため売上高を増額修正したが、スマートメーター設置業務の本格的な利益貢献は16年11月期となり、15年11月期は業務開始前に発生する人件費、採用費、教育訓練費、拠点整備に係る費用負担が先行する。スマートメーター設置業務以外の新事業についても、計画を前倒しして人員補強などの先行投資を実施するため各利益を減額修正した。なお本社移転費用を特別損失で41百万円計上する。

 修正後のセグメント別(全社費用等調整前)計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が同30.8%増の35億38百万円、営業利益が同3.0%減の2億72百万円、人材ソリューション事業の売上高が同2.9%増の40億94百万円、営業利益が同3.4%増の3億20百万円としている。

 15年11月期は先行費用負担で減益予想だが、ロジスティクス関連は拡大基調であり、16年11月期はスマートメーター設置業務が収益化し、改正労働者派遣法も追い風となって成長軌道への回帰が期待される。

■中期経営計画で「NO.1アウトソーシング・プロバイダー」目指す

 15年1月に発表した新中期経営計画「Next2020-変化への挑戦」では、中期ビジョンとして「NO.1アウトソーシング・プロバイダー」を掲げている。

 社会貢献性・成長性の高い分野での事業展開、ニッチな分野・参入障壁の高い分野での事業展開を推進し、経営目標値は営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。高付加価値サービスが牽引して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了、16年11月期の成長軌道回帰期待で出直り

 株価の動きを見ると、安値圏700円~900円近辺のレンジで推移している。ただし8月の年初来安値685円まで下押すことなく下値固め完了感を強めている。15年11月期減益予想の織り込みも完了しているようだ。

 10月28日の終値812円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円21銭で算出)は36~37倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS251円66銭で算出)は3.2倍近辺である。なお時価総額は約24億円である。

 週足チャートで見ると700円近辺で下値固めが完了し、13週移動平均線突破の動きを強めている。15年11月期は先行費用負担だが、16年11月期は成長軌道への回帰が期待される。改正労働者派遣法も追い風だ。出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

キャリアリンクは16年2月期増収増益・増配予想で中期成長シナリオに変化なし

 キャリアリンク<6070>(東1)は「チーム派遣」を強みとする総合人材サービス企業である。16年2月期第2四半期累計は先行投資費用の発生で減益だったが、通期ベースでは増収増益・増配予想だ。マイナンバー制度や改正労働者派遣法も追い風で中期成長シナリオに変化はない。株価は調整が一巡して出直り展開だろう。

■BPO関連事業が主力の総合人材サービス企業

 官公庁・地方公共団体・民間企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)関連事業を主力として、企業等のコンタクトセンター(コールセンター)向けCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)関連事業、一般事務職分野の一般事務事業、さらに製造・物流分野の製造技術系事業など、人材派遣・紹介や業務請負などの総合人材サービス事業を展開している。

 なお15年2月期の事業別売上構成比は、BPO関連事業が60.3%、CRM関連事業が21.8%、一般事務事業が6.8%、そして製造技術系事業が11.1%だった。

■顧客企業の業務効率化を実現する「チーム派遣」に強み

 顧客の業務効率化や品質向上などを実現する企画提案型の人材派遣および業務請負を特徴としている。特にBPO関連事業では、顧客企業の業務効率化や業務処理品質向上を実現するために「単なるスタッフ派遣」ではなく、経験豊富な社員をリーダーとして編成した「チーム派遣」を強みとしている。顧客にとっては、自社による導入時の研修や導入後の業務指導などに係る負担が軽減され、発注から短期間で大量業務処理の稼働開始が可能になるというメリットもある。

 BPO事業者からの受注を含めて1000名を超える大型案件でも、稼働開始まで短期間で対応できるノウハウを有していることも強みだ。スタッフに対してはキャリアパス制度などを活用して能力、満足度、出勤率、稼働率を高める仕組みを構築しており、こうした仕組みもチーム派遣や大型案件に対する短期間での対応を支えている。

 中期的な経営基盤強化に向けて、BPO関連事業における官公庁・地方公共団体関連の大型特需案件や成長市場である民間BPO案件の受注拡大、高品質で顧客満足度の高いBPOサービス提供の強化、M&Aも活用したBPO関連事業の領域拡大、CRM関連事業や製造技術系事業における高利益案件をメインターゲットとした受注活動の強化、そして業容拡大に向けた人材採用・育成の強化を推進している。

■BPO関連事業が拡大して増収基調

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)28億78百万円、第2四半期(6月~8月)36億08百万円、第3四半期(9月~11月)38億41百万円、第4四半期(12月~2月)36億21百万円、営業利益は第1四半期1億15百万円、第2四半期2億94百万円、第3四半期2億71百万円、第4四半期1億51百万円だった。

 BPO関連事業が拡大して四半期ベースでも増収基調だ。また15年2月期のROEは14年2月期比15.1ポイント上昇して24.5%、自己資本比率は同11.4ポイント低下して41.3%、配当性向は20.4%だった。

■16年2月期第2四半期累計は減益だが、BPO関連事業は想定以上に好調

 今期(16年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比22.0%増の79億14百万円だが、営業利益が同4.0%減の3億92百万円、経常利益が同5.3%減の3億84百万円、純利益が同0.7%減の2億38百万円だった。

 主力のBPO関連事業の好調が牽引して計画を上回る大幅増収だったが、BPO関連事業における新規受注業務のスタッフ研修費用の増加、下期運用開始案件に関する一過性の先行投資費用の発生が影響して、各利益は計画を下回り減益だった。売上総利益率は同1.5ポイント低下して20.1%、販管費比率は同0.2ポイント低下して15.1%だった。

 事業部門別の売上高は、BPO関連事業が同30.7%増の49億97百万円、CRM関連事業が同5.4%増の15億87百万円、製造技術系事業が同13.1%増の7億62百万円、一般事務事業が同17.2%増の5億66百万円だった。

 BPO関連事業は計画を大幅に上回った。首都圏で稼働中のBPO大型プロジェクト案件の新規業務が順調に拡大した。また民間BPO案件及び官公庁BPO案件の新規受注が順調に推移しているようだ。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)38億73百万円、第2四半期(6月~8月)40億41百万円、営業利益は第1四半期1億89百万円、第2四半期2億03百万円だった。

■16年2月期通期は増収増益・増配予想

 通期の非連結業績予想は前回予想(4月14日公表)を据え置いて、売上高が前期比17.4%増の163億68百万円、営業利益が同14.4%増の9億51百万円、経常利益が同14.2%増の9億38百万円、そして純利益が同15.4%増の5億62百万円としている。配当予想も前回予想(4月14日公表)を据え置いて同2円増配の年間18円(期末一括)としている。予想配当性向は20.1%となる。

 下期運用開始の大型案件に向けて即戦力の採用を増やしているため人件費が増加するが、主力のBPO関連事業の受注増加、BPO大型案件における業務処理効率化の進展が牽引して増収増益基調だ。

 なお事業部門別売上高の計画は、BPO関連事業が約15%増収、CRM関連事業が約20%増収、一般事務事業が約5%増収、製造技術系事業が約20%増収としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.4%、営業利益が41.2%、経常利益が40.9%、純利益が42.4%である。やや低水準の形だが、既存案件の業務量拡大や新規案件の受注は好調に推移している。そして新規案件の稼働で期後半に向けて収益が積み上がり、また上期には一過性要因として研修費用が発生したが、下期には見込まず投資回収期としている。

 業務効率化に向けた企画提案力、1000名以上の大型案件でも稼働開始まで短期間で対応できるノウハウ、官公庁向け大型BPO案件の受注実績などから、マイナンバー関連の受注が期待され、さらに9月30日施行の改正労働者派遣法も追い風として期待される。16年2月期会社予想の達成は十分に可能だろう。

■BPO関連事業が成長エンジン、M&Aによる領域拡大も推進

 中期経営計画(16年2月期~18年2月期)では、目標値に18年2月期の売上高250億90百万円、営業利益15億20百万円、経常利益15億10百万円、純利益9億40百万円を掲げた。

 BPO関連事業を成長エンジンとした成長戦略を加速させる方針で、BPO関連事業の売上規模拡大、企画提案力・運用力の強化、M&Aによる領域拡大を重点戦略としている。

 特にBPO関連事業の拡大に向けて、BPOベンダー等との関係強化を推進するための営業推進部、人材育成を強化するための研修センター、人材採用・開発力を強化するための人材開発部を設置するなど新たな体制を構築した。またキャリアパス制度による社員登用増、無期雇用社員の採用増、高スキル・高スペック人材の確保などで「チーム派遣」を一段と強化する方針だ。

 事業部門別売上高の計画としては、BPO関連事業が高品質運用やIT分野を含めた事業領域拡大などで15年2月期比2.0倍の171億円、CRM関連事業が高利益案件をメインターゲットとして同42.0%増の43億円、製造技術系事業が製造業や流通業の高利益案件への戦略展開などで同64.2%増の25億円、一般事務事業が無期雇用・長期雇用を軸に高利益ビジネスモデルへの変革を目指して同11.2%増の10億円を掲げている。

 中期的に事業環境は良好だ。官公庁・地方公共団体関連では財政健全化に向けた費用抑制の流れ、サービス向上や業務効率化のニーズ増大も背景として、官から民間への業務委託・移管の増加が予想されている。民間企業関連ではコア事業への経営資源集中や固定費の変動費化の流れも背景として、業務のアウトソーシング化が一段と増加すると予想されている。BPO関連事業における優位性を発揮して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡して出直り

 株主優待制度については毎年8月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。100株以上300株未満保有株主に対してオリジナルQUOカード1000円相当、300株以上保有株主に対してオリジナルQUOカード2000円相当を贈呈する。株主還元については現金配当と株主優待を合算した総合利回りの向上を目指している。

 株価の動きを見ると、8月18日の上場来高値2640円から反落し、悪地合いも影響して調整局面となった。そして第2四半期累計の減益も嫌気する形で10月2日に1474円まで下押す場面があった。ただし足元は1700円近辺に戻して調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値1659円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS89円80銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.1%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS349円63銭で算出)は4.8倍近辺である。なお時価総額は約104億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線近辺で下げ渋り、徐々に下値を切り上げている。サポートラインを確認した形だろう。16年2月期増収増益・増配予想で、マイナンバー制度や改正労働者派遣法も追い風となって中期成長シナリオに変化はない。調整が一巡して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

ジョルダンは下値固め完了感、16年9月期の収益改善期待

 ジョルダン<3710>(JQS)は経路検索ソフトなどの乗換案内事業を主力としている。株価は下値固め完了感を強めている。15年9月期減益予想は織り込み済みであり、16年9月期の収益改善期待で反発のタイミングだろう。なお11月12日に15年9月期の決算発表を予定している。

■経路探索ソフトなどの乗換案内事業が主力

 乗換案内事業(無料版「乗換案内」、有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」、総合旅行サービス「乗換案内トラベル」、および広告、グルメ・運行情報サービスなど)を主力として、マルチメディア事業(電子出版・紙媒体出版、ニュース、教育、その他コンテンツ)や、その他事業(受託ソフトウェア開発、その他新サービス)も展開している。

 有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」の15年3月末有料会員数は約42万人で、無料を含めた「乗換案内」の各種インターネットサービス検索回数は15年3月に月間約2億2000万回となった。また当該サービスの月間利用者数は約1200万人となっている。

 乗換案内事業では、鉄道の経路検索にとどまらず、路線バスの経路検索にも対応している。さらに利便性の高い「乗換案内」を目指して、今後は「駅から駅」「バス停からバス停」の案内にとどまらず、徒歩ルートを含めた「地点から地点」「場所から場所」案内を強化する方針だ。

■「移動に関するNO.1情報プロバイダー」目指す

 「移動に関するNO.1情報プロバイダー」を目指し、新サービス開発や機能充実に向けてM&A・アライアンス戦略も積極活用している。12年9月にグルメぴあネットワークを子会社化(13年4月吸収合併)、12年11月にネット旅行販売・情報提供のイーツアーを子会社化、14年7月に合弁で「ミール・プラス」事業のRemunera Jorudan(レムネラ・ジョルダン)を設立した。一方ではマルチメディア事業における不採算事業からの撤退を進めるとともに、新たな採算事業も模索している。

 15年4月には東京国際空港ターミナルと連携して、羽田空港国際線旅客ターミナルから目的地へ、また各地から羽田空港国際線旅客ターミナルへ、鉄道やバスを利用して移動する経路のアクセス検索サービス「TIAT ROUTE MASTER」のサービスを開始した。日本語だけでなく英語、中国語(簡体字・整体字)、韓国語の検索も可能だ。

 15年5月には訪日外国人旅行客をターゲットにしたルート案内ソリューション「乗換案内Visit」の提供を開始した。英語、中国語(簡体字・整体字)、韓国語に日本語を含めた5言語に対応する。乗換経路検索だけでなく、ゼンリン<9474>提供の多言語地図との連携により、多言語でのトータルルート案内サービスを実現した。

 15年5月にはVAIRON(東京都)と提携して、中国のTencentが運営するスマートフォン向けコミュニケーション・チャットアプリ「WeChat」の企業アカウント開設だけでなく、企業が効果的に「WeChat」を活用するための独自の開発を行う体制を整えた。訪日中国人の購買行動へ結びつけるブランドコミュニケーションを行うには、7億人ユーザーの「WeChat」への企業アカウント開設および運営が必須とされるため、共同で「WeChat」を活用するマーケティング活動をコンサルティングから開発まで提供する。

 15年6月には日本マイクロソフトのクラウド型グループウェア「Office365」と連携した「乗換案内Biz for Office」をリリースした。15年7月にはサイボウズ<4776>のクラウド型アプリケーション作成サービス「Kintone」と連携した旅費交通費精算用アプリ「旅費交通費精算with乗換案内Biz」をリリースした。いずれも企業における交通費精算業務の負担を軽減できる。

 15年8月には当社のスマートフォンアプリ「乗換案内」と、カーシェア・マップが開発したオリックス自動車専用スマートフォンアプリの連携を開始すると発表した。業界初の経路探索サービスとカーシェアの連携となる。

■15年9月期減収減益予想だが、16年9月期の収益改善期待

 前期(15年9月期)の連結業績予想(9月17日に減額修正)は、売上高が前々期比1.6%減の42億50百万円、営業利益が同31.0%減の4億円、経常利益が同34.7%減の4億円、純利益が同34.0%減の2億50百万円としている。

 増収増益予想から一転して減収減益予想となった。乗換案内事業の売上高が計画を下回ったことに加えて、営業外での持分法投資損失の発生も影響したようだ。配当予想は前回予想(11月13日公表)を据え置いて前々期と同額の年間13円(期末一括)としている。予想配当性向は27.1%となる。

 なお第3四半期累計(10月~6月)は、売上高が前年同期比1.9%増の31億91百万円、営業利益が同29.7%減の3億17百万円、経常利益が同30.2%減の3億25百万円、純利益が同36.2%減の1億75百万円だった。子会社イーツアーの旅行関連が好調だったが、新製品・サービス開発に係る費用の増加、持分法投資損益の悪化、負ののれん発生益の一巡などで減益だった。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)10億57百万円、第2四半期(1月~3月)11億76百万円、第3四半期(4月~6月)9億58百万円、営業利益は第1四半期94百万円、第2四半期1億84百万円、第3四半期39百万円だった。

 前期(15年9月期)は一転して減収減益予想となったが、今期(16年9月期)は訪日外国人旅行客の増加も背景として収益改善が期待される。中期的には20年東京夏季五輪開催も追い風だろう。

■株価は下値固め完了感、16年9月期の収益改善期待

 株価の動きを見ると年初来安値圏でモミ合う展開だ。ただし8月25日の年初来安値720円を割り込むことなく、概ね750円~800円近辺で推移して下値固め完了感を強めている。

 10月28日の終値769円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS47円90銭で算出)は16倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想年間13円で算出)は1.7%近辺、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS764円87銭で算出)は1.0倍近辺である。なお時価総額は約40億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。また週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、700円台で下値を固める動きだ。15年9月期減益予想は織り込み済みであり、16年9月期の収益改善期待で反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

スターティアは16年3月期第2四半期累計の利益を減額修正だが売られ過ぎ感

 スターティア<3393>(東1)は電子ブック作成ソフト開発・販売やITインフラソリューションなどを展開している。10月23日に16年3月期第2四半期累計(4月~9月)利益予想の減額修正を発表し、これを嫌気して株価は年初来安値を更新した。ただし売られ過ぎ感も強めている。減額修正を織り込んで反発のタイミングだろう。なお10月30日に第2四半期累計の業績発表を予定している。

■電子ブック作成ソフトやITインフラソリューションなどを展開

 オフィスのインターネット関連トータルソリューションカンパニーとして、電子ブック作成ソフト「ActiBook」やWebアプリケーションを開発・販売するウェブソリューション(WS)関連事業、ネットワークアウトソーシング環境やクラウドサービスを提供するネットワークソリューション(NS)関連事業、ビジネスホンやMFP(複合機)などOA機器を販売するビジネスソリューション(BS)関連事業、その他事業(16年3月期から開始したコーポレートベンチャーキャピタル事業)を展開している。

 大手との競合が少ない従業員300人未満の中堅・中小企業(全国約555万社)をターゲットとして、ITインフラのワンストップソリューションを提供するとともに、ストック型収益の拡大を推進している。アジア市場へも本格的に事業展開する方針だ。無借金経営という財務面の健全性の高さも特徴である。

 主力の電子ブック作成ソフト「ActiBook」は、書籍、雑誌、IR資料などといった紙媒体を、簡単に電子ブックに変換できる電子ブック制作ソフトである。一つのソフトでマルチデバイスへの書き出しが可能な「ワンオーサリングマルチデバイス」を実現し、拠点間で利用可能なSaaS型サービスを提供している。導入実績は出版社を中心に15年6月末現在で2438社に達し、15年9月には伊藤忠商事<8001>のアニュアルレポート閲覧ソフトとして採用された。

 クラウドサービスの分野では、1100社以上の導入実績がある法人向けクラウドストレージサービス「セキュアSAMBA(サンバ)」などを提供している。15年7月には中堅・中小企業を対象として、マイナンバー対策に役立つセキュリティ機能がセットになったファイルサーバーの提供を開始した。15年9月にはマイナンバーの収集・保管に特化した専用サービス「セキュアMyNUMBER(マイナンバー)」の提供を開始した。

 また15年7月にはインターネット接続サービス(ISP)「Tialink(ティアリンク)」の提供を開始した。NTT東日本・西日本が事業者向けに提供する光コラボレーションモデルの光回線「スターティア光」とセットにしたインターネット接続プランを提供する。

 コーポレートベンチャーキャピタル事業では、15年6月に勉強ノートまとめ共有アプリ「Clear(クリア)」を開発・運営しているアルクテラスにリードベンチャーとして出資した。

■M&A・アライアンス戦略も積極推進

 業容拡大に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進している。14年8月にはホスティングサービス運用などのエーティーワークスと資本業務提携(17年3月末までに株式25%取得予定)し、個人・法人向けPCトラブル訪問サービスの日本PCサービス<6025>と業務提携した。

 14年11月には回線敷設代行業務や一括請求サービスを展開する子会社クロスチェックを設立し、サービス販路開拓に向けてリボルバーと資本業務提携した。14年12月にはシステムインテグレーションのネクストイットの技術本部の一部事業(常駐派遣事業など)および技術者21名を承継した。

 15年3月にはオウンドメディア構築事業のリボルバーとの資本業務提携の一環として、企業が低価格で簡単にオウンドメディアを発刊できる企業向けWEBマーケティング戦略支援サービスを開始した。オウンドメディアは企業自らの情報公開や大量コンテンツ配信が可能となるため、マスメディア、ソーシャルメディアに続く第三のメディアとして、企業のマーケティングやブランディングへの応用が期待されている。

 15年5月には、東京・横浜・大阪に40拠点以上のレンタルオフィスを提供するアセットデザインと業務提携した。同社はレンタルオフィスへの新規入居者に対して、当社の法人向けオンラインストレージを無料で提供する。両社の事業を組み合わせることで、起業家の支援および事業シナジーを生み出す狙いだ。

 15年10月にはエヌオーエス(鹿児島県)を子会社化した。同社は鹿児島県を中心としてエリア企業向けにMFPのリース販売・レンタルサービスなどを展開しているため、南九州地域における新規顧客獲得などが期待できるとしている。

■第2四半期と第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)19億11百万円、第2四半期(7月~9月)21億34百万円、第3四半期(10月~12月)20億21百万円、第4四半期(1月~3月)26億16百万円、営業利益は第1四半期6百万円、第2四半期2億47百万円、第3四半期42百万円、第4四半期4億52百万円だった。第2四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 また15年3月期の配当性向は17.2%だった。ROEは14年3月期比2.7ポイント上昇して15.9%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して70.2%となった。

■16年3月期第2四半期累計予想の売上を増額、利益を減額修正

 10月23日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の連結業績予想の修正(売上高を増額、利益を減額)を発表した。

 第2四半期累計は前回予想(5月8日公表)に対して、売上高が3億45百万円増額して前年同期比17.7%増の47億61百万円、営業利益が80百万円減額して同66.0%減の86百万円、経常利益が59百万円減額して同66.6%減の1億07百万円、純利益が88百万円減額して5百万円の赤字(前年同期は2億37百万円の黒字)とした。

 ウェブソリューション関連事業において、電子ブック作成ソフト「ActiBook」および「ActiBook AR COCOAR」の販売が苦戦した。また資本・業務提携先において、当初目論んでいた業績と乖離した結果が散見されている状況を鑑みて、関係会社株式売却損20百万円、投資有価証券評価損24百万円を計上することになった。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比15.2%増の100億円、営業利益が同51.8%増の11億34百万円、経常利益が同29.2%増の11億34百万円、純利益が同4.2%減の5億67百万円としている。

 新卒70名の採用、ホスティングサービスにおけるセキュリティ強化、アジア地域への事業展開など、中期成長に向けた大規模な先行投資を継続するが、ストック型収益の拡大、海外事業の収益均衡化などで増収・営業増益予想だ。スターティア光の売上計上方法変更も増収に寄与する。純利益は投資有価証券売却益や保険解約返戻金が一巡して減益予想としている。

 セグメント別売上高の計画は、WS事業が同23.6%増の25億23百万円、NS事業が同0.2%減の24億29百万円、BS事業が同18.5%増の49億86百万円としている。ストック売上高は同10.1%増の32億円で、ストック売上比率は同1.5ポイント低下の32.0%の計画だ。

 第1四半期(4月~6月)は売上高が前年同期比17.9%増の22億53百万円(WS事業が12.7%増の4億52百万円、NS事業が23.9%増の5億99百万円、BS事業が17.1%増の12億01百万円)だったが、先行投資負担などで営業利益が1億07百万円の赤字(前年同期は6百万円の黒字)、経常利益が85百万円の赤字(同18百万円の黒字)、純利益が80百万円の赤字(同38百万円の黒字)だった。

 なお9月17日に配当方針の変更、および配当予想の修正(増配)を発表した。利益還元重視の姿勢を明確にするとともに株主層の拡大を図るため、配当性向の基本方針を、従来の1株あたり当期純利益の15%相当額から、5ポイント引き上げて1株あたり当期純利益の20%相当額に変更した。

 これによって16年3月期の配当予想を第2四半期末8円、期末7円50銭に修正した。15年10月1日付株式2分割を考慮して期末7円50銭を15円に換算すると年間23円となり、前回予想(15年10月1日付株式2分割に伴って7月31日に修正)の年間17円に対して実質6円増額、前期の年間20円(記念配当2円57銭含む)に対して実質3円増配となる。予想配当性向は20.7%となる。

■中期経営計画で17年3月期経常利益14億円目指す

 14年8月発表の「新・中期3ヵ年利益計画」では、連結経常利益の目標値として15年3月期8億66百万円、16年3月期11億34百万円、17年3月期14億円を掲げた。

 初年度15年3月期の実績経常利益は8億78百万円で計画を達成した。2年目16年3月期は新サービス投入による経常利益成長段階に入り、ホスティングなどの先行投資を継続しながら、海外事業を含めて収益回収段階に入るとしている。規模拡大や継続的成長に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進する。中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は第2四半期累計の利益減額修正を嫌気したが売られ過ぎ感

 株価の動き(15年10月1日付で株式2分割)を見ると、第2四半期累計の利益予想減額修正を嫌気する形で水準を切り下げた。700円台でのモミ合いから下放れて、10月26日には年初来安値643円まで下押した。

 10月28日の終値652円を指標面(15年10月1日付株式2分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円62銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(株式2分割を考慮して第2四半期末の8円を4円に換算した年間11円50銭で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS389円90銭で算出)は1.7倍近辺である。なお時価総額は約67億円である。

 週足チャートで見ると窓を開けてモミ合い下放れの形となったが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。減額修正を織り込み、中期成長力も見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

マーケットエンタープライズは底固め完了して出直り本格化、16年6月期大幅増収増益予想を評価

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開している。株価は9月安値圏で底固めが完了して水準を切り上げる動きだ。16年6月期大幅増収増益予想やネット型リユース事業の中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。

■インターネットに特化したリユース品買取・販売事業を展開

 06年7月設立(事業開始は04年11月)で、15年6月東証マザーズに新規上場した。インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」など自社運営26カテゴリーのWEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国6拠点(15年6月末時点)のリユースセンターで在庫を一括管理し、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイト「安く買えるドットコム」で一般消費者や法人向けに販売する。

 販売の実店舗を持たずにEC(電子商取引)によってリユース品の売買を行うサービスであり、ITとリアルを融合させて仕入・販売ともに、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築していることが強みだ。なお累計買取依頼数は14年5月に50万件を突破し、15年3月には月間買取依頼数が約26千件に達している。

■サイト運営、コンタクトセンター、リユースセンターまで一気通貫

 総合窓口サイトである「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、26カテゴリーの買取専門サイトを自社構築・運営している。自社サイトを運営することで、顧客ニーズに合ったコンテンツマーケティングを行うことが可能になり、ネットサービスを有する大手企業との効果的なアライアンスを展開することも可能になる。

 またコンタクトセンターにおける事前査定サービス、3つのチャネル(出張買取、宅配買取、店頭買取)による買取サービス、全国6拠点のリユースセンター(15年6月末時点で東京、横浜、埼玉、名古屋、大阪、福岡)での在庫一括管理という、コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。そして独自の単品管理ステムと全国販売網により、高い在庫回転率(14年実績で年間14.2回転)を実現している。

 さらに事前査定~仕入~在庫管理~販売のオペレーションに関して、自社開発のITシステムおよびデータベース(複数の買取依頼チャネルや複数の買取手法に対応したマルチチャネル買取システム、査定データベース、商品管理システム、在庫連動システム、受注管理システムなど)によって運営し、効率性の高いオペレーションを実現している。

 15年9月には新リユースブランド「ReRe(リリ)」をリリースした。ギフトボックスでの丁寧なラッピング、ブランドマークを印刷したボックスによる梱包など、当社の「安心できるリユースをすべての方に・・・for Real Reuse」との思いを込めたサービスとしている。

 また10月24日には、国内7拠点目となるリユースセンターを、兵庫県神戸市にオープンした。近畿圏では12年3月にオープンした大阪リユースセンターに次ぐ2拠点目となる。

■アライアンス戦略も強化

 大手企業とのアライアンスも強化している。15年2月にはヤフー<4689>が運営する「Yahoo!買取」で、法人向け在庫買取サービスを開始した。また15年6月にはコープサービスが運営する「ライフなび くらしのサービス」と提携して、関東信越6生協組合員向けに総合買取サービスの提供を開始した。

 10月20日には、ネクスト<2120>グループが運営する引越し見積もり・予約サイト「HOMES引越し」と共同で買取サービスの提供を開始すると発表した。

 10月27日には、ヤフーと電通<4324>の共同企画で11月4日スタート予定の、リユース活用型クラウドファンディングサービス「reU funding(リユーファンディング)」に協力したと発表している。

■中期成長に向けて事業ドメイン拡大を推進

 中期経営目標としては3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。中期成長戦略では収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大を推進する。

 水平展開では仕入基盤のさらなる拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進する。3年以内に5拠点のリユースセンターを新設する予定で、出張・店頭買取における人口カバー率の向上や、買取コンバージョン率の向上を目指している。

 垂直展開では取扱商品のさらなる拡大に向けて、比較サイト運営・専門企業などとのアライアンスによって、高単価・低粗利益率帯の車・バイク・不動産など、低単価・高粗利益率帯の衣類・本など「未取扱商材」や「依頼情報」のマネタイズゾーン拡充を図る。そして「シェアードエコノミー」を実現する社会的インフラの一翼を担うべく、積極的なIT投資によって新サービスを創造・拡充させるとしている。

■16年6月期も大幅増収増益予想

 今期(16年6月期)の非連結業績予想(8月7日公表)は、売上高が前期比31.6%増の52億50百万円、営業利益が同34.6%増の3億20百万円、経常利益が同41.3%増の3億21百万円、純利益が同46.3%増の2億円としている。配当予想については無配継続としている。先行投資を積極的に実施しつつも、既存体制のさらなる効率化で成長率と利益水準を維持する。

 新規拠点の開設(15年3月開設の埼玉リユースセンターの通期寄与、および15年10月開設の神戸リユースセンター)、買取・販売における新サービス(15年9月リリース「ReRe」)、大手企業とのアライアンス強化などで買取・販売とも大幅に伸長する。

 買取件数は同30%程度増加、買取案件単価は前期と同水準で、結果として仕入高は同30%程度の増加を見込んでいる。さらに海外Eマーケットプレイスへのテストマーケティングを実施する。

 増収効果に業務プロセス標準化推進などの効果も寄与して大幅増益予想だ。売上総利益率および販管費比率は前期(売上総利益率47.6%、販管費比率41.6%)と同水準を見込んでいる。経常利益と純利益については前期営業外費用で計上した上場関連費用の一巡も寄与する。

■「リユース市場×EC市場」は拡大基調

 リユース市場とEC(電子商取引)市場はともに拡大基調だ。そして環境省調査によると、12年度のリユース品購入経路の54.0%がインターネット経由(インターネットオークション28.7%、インターネットショッピングサイト25.3%)となり、インターネット経由が過半を占める状況になってきた。

 「リユース市場×EC市場」は拡大基調であり、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大も奏功して、中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は底固め完了して出直り、16年6月期大幅増益予想を評価

 株価の動きを見ると、9月8日の上場来安値2133円まで調整したが、その後は安値圏2200円近辺で底固めが完了し、10月以降は水準を切り上げる動きだ。10月16日には3175円まで急伸する場面があった。

 10月28日の終値2847円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS78円91銭で算出)は36倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS348円23銭で算出)は8.2倍近辺である。なお時価総額は約72億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。底固めが完了して強基調への転換を確認した形だろう。16年6月期大幅増収増益予想やネット型リユース事業の中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

マルマエは16年8月期減益予想だが増額余地、2%台後半の配当利回りも評価

 マルマエ<6264>(東マ)は半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。株価は16年8月期減益予想を嫌気する形で水準を切り下げたが売り一巡感を強めている。16年8月期業績の会社予想は保守的で増額余地があり、2%台後半の予想配当利回りも評価して反発展開だろう。

■真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開し、新規分野として光学装置・通信関連分野なども強化している。

 15年1月に事業再生計画(11年7月に事業再生ADR成立)の終結を発表した。16年10月末日の最終弁済をもって終了する計画だったが、強固な収益体質の確立と財務体質の改善に目途がついたため、終了期間を前倒しして15年1月末日をもって事業再生計画を終結した。そして債務の株式化を行ったA種優先株式については15年5月に取得(246株、1株につき100万円)して消却した。

 なお15年9月には、商工組合中央金庫とのコミットメントライン契約(借入限度額50百万円)および当座貸越契約(借入限度額1億50百万円)を締結した。事業展開での資金需要に伴う手元資金の一時的な減少を防ぎ、経営のさらなる安定化を図る。

 また10月26日には、取締役会において「監査等委員会設置会社」に移行する方針を決定し、15年11月28日開催予定の第28期定時株主総会に付議することを決議した。

■15年8月期は大幅増収増益

 10月14日に発表した前期(15年8月期)非連結業績(9月30日に3回目の増額修正)は、売上高が前々期比34.0%増の21億24百万円、営業利益が同68.3%増の4億50百万円、経常利益が同70.5%増の4億35百万円、純利益が同85.0%増の5億59百万円だった。

 半導体分野およびFPD分野の好調な受注が牽引した。分野別の受注高は半導体分野が同60.8%増の12億36百万円、FPD分野が同86.2%増の7億57百万円、その他分野が同17.3%減の3億68百万円、合計が同45.7%増の23億62百万円だった。半導体分野は市場環境が良好だったことに加えて、顧客内におけるシェア拡大や生産体制の強化も寄与した。FPD分野は期前半が低迷したが、期後半に新型スマートフォン関連などで需要が拡大した。

 コスト面では増収に伴って材料費、労務費、外注加工費が増加したが、増収効果と生産性向上効果で大幅営業増益だった。売上総利益率は同2.6ポイント上昇して30.9%、販管費比率は同1.7ポイント低下して9.7%となった。純利益については、特別利益に「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に係る補助金」15百万円を計上したことや、繰延税金資産1億13百万円を計上したことも寄与した。

 なお配当予想は年間36円(期末一括)としている。96年のマザーズ上場以来初の配当実施(7月14日公表)で、予想配当性向は11.3%となる。ROEは前々期比22.9ポイント低下して100.7%、自己資本比率は同10.3ポイント上昇して32.7%となった。またBPSは135円80銭で前々期の28円68銭から大幅に改善した。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(9月~11月)3億84百万円、第2四半期(12月~2月)6億39百万円、第3四半期(3月~5月)5億59百万円、第4四半期(6月~8月)5億42百万円、営業利益は第1四半期41百万円、第2四半期1億30百万円、第3四半期1億40百万円、第4四半期1億39百万円だった。収益改善基調だ。

■16年8月期減収減益・実質増配予想、会社予想保守的で増額余地

 今期(16年8月期)の非連結業績予想(10月14日公表)は、売上高が前期比5.9%減の20億円、営業利益が同33.4%減の3億円、経常利益が同38.1%減の2億70百万円、純利益が同55.3%減の2億50百万円としている。

 配当予想は年間14円(第2四半期末7円、期末7円)としている。15年9月1日付の株式3分割を考慮して、前期の年間36円を株式3分割後に換算すると年間12円となり、今期は実質的に前期比2円増配となる。予想配当性向は29.5%となる。

 分野別売上高の計画は、半導体分野が同0.9%増の11億83百万円、FPD分野が同17.1%増の6億73百万円、その他分野が同57.6%減の1億42百万円としている。その他分野は光学関連消耗品の受注を見込むが、スポット的な受注も多いため先読みが困難としている。

 また中国関連に不透明感があることや、半導体分野とFPD分野の需要変動幅が大きいことなどを考慮して、売上高およびコストとも全般的に保守的な計画としているようだ。半導体やFPD分野の受注は高水準に推移することが予想され、会社予想には増額余地がありそうだ。

■月次受注動向は高水準維持

 15年9月度の月次受注残高(速報値)を見ると、半導体分野が1億43百万円(前月比9.4%減、前年同月比36.0%増)、FPD分野が2億02百万円(前月比14.7%減、前年同月比401.7%増)、その他分野が37百万円(前月比20.7%減、前年同月比196.2%増)、合計が3億83百万円(前月比13.4%減、前年同月比141.8%増)だった。前月比では減少したが前年同月比では大幅に伸長している。

 半導体分野は受注および出荷検収とも高水準に推移している。FPD分野も受注の好調を維持しながら出荷検収が本格化している。半導体分野は市場に一時的な停滞感があったが、回復の兆しが見え始めているようだ。またエンドユーザーの大規模な微細化投資が計画されているため、15年末から需要がさらに増加する見通しだ。FPD分野は中小型から大型パネルまで幅広く設備投資が拡大しているため、高水準の受注と出荷検収が継続する見通しだ。その他分野は各種携帯端末の需要動向が不透明としている。

 全般的には概ね好調な受注状況であり、今後は半導体製造装置分野の大型真空パーツにおいて協力企業選定を進めることで生産性を改善し、小型真空パーツでは社内の試作能力を高めることで受注拡大を図るとしている。

■新中期事業計画「Evolution2018」

 15年10月、新中期事業計画「Evolution2018」(16年8月期~18年8月期)を公表した。

 半導体分野では微細化投資の本格化でエッチング、洗浄、ALDなどの工程で市場拡大が見込まれるため、洗浄分野への参入、エッチング分野での試作強化などを推進する。FPD分野では中長期的に8Kなどで需要拡大が見込まれるため、自社における設備投資ではなく、協力企業の拡大によって需要変動に対応する。その他分野ではスマートフォン関連の需要が継続し、自動車関連やロボット関連の市場へ参入するため、生産余力の効率的活用と協力企業の拡大を図る。

 また半導体分野を成長ドライバーとする既存事業のブラッシュアップに加えて、現業とのシナジー効果や半導体・FPD分野の需要変動に対するリスクヘッジとして、売上高20億円規模までの中小企業を対象としてM&Aも積極活用する方針だ。M&Aの分野としては、半導体洗浄・樹脂パーツや自動車・ロボット部品などを想定しているようだ。

 数値目標としては、18年8月期の連結売上高40億円、営業利益10億円(単体ベースで売上高30億円、営業利益7億円、M&Aで売上高10億円、営業利益3億円)を掲げている。また株主還元として配当性向35%以上(順次向上)を目指し、計画期間中に東証1部への市場変更を目指す方針だ。

■株価は16年8月期減益予想を嫌気した売り一巡

 株価の動き(15年9月1日付で株式3分割)を見ると、16年8月期減益予想を嫌気する形で、600円近辺から500円近辺に水準を切り下げた。ただし足元では売り一巡感を強めている。

 10月28日の終値491円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS47円46銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間14円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS135円80銭で算出)は3.6倍近辺である。なお時価総額は約27億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面の形だ。ただし52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。16年8月期減益予想だが会社予想は保守的で増額余地があり、2%台後半の予想配当利回りも評価して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

協立情報通信は16年2月期第2四半期累計の進捗率高水準、通期増額余地

 協立情報通信<3670>(JQS)は法人向けソリューション事業とモバイル事業を展開している。16年2月期第2四半期累計の進捗率は高水準であり、通期業績の会社予想に増額余地がありそうだ。期後半にはマイナンバー対応関連の受注本格化も期待される。株価は年初来安値圏で調整局面だが、指標面に割高感はなく反発展開だろう。

■法人向けソリューション事業とモバイル事業を展開

 法人向けソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開している。

 企業のICT(情報通信技術)化実現に向けて、NEC<6701>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、NTTドコモ<9437>、サイボウズ<4776>、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システム構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供している。

 ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECのPBX(構内交換機)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向けを中心に情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用支援(プラクティカルユース)の3分野を統合した経営情報ソリューションを、ワンストップサービスで提供していることが強みだ。

 さらに常設デモスペースの体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。

 モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。

■第1四半期の構成比がやや高い収益構造

 15年2月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)15億47百万円、第2四半期(6月~8月)14億43百万円、第3四半期(9月~11月)13億66百万円、第4四半期(12月~2月)14億10百万円、営業利益は第1四半期1億02百万円、第2四半期88百万円、第3四半期24百万円、第4四半期52百万円だった。

 法人向けソリューション事業は企業のIT投資関連のため、3月期決算企業の年度末となる第1四半期の構成比がやや高くなる傾向があるようだ。

 また15年2月期の配当性向は30.1%だった。ROEは14年2月期比7.3ポイント上昇して22.3%、自己資本比率は同3.0ポイント上昇して42.2%だった。

■16年2月期第2四半期累計はソリューション事業が牽引して増収増益

 10月13日発表の今期(16年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比4.7%増の31億32百万円で、営業利益が同5.4%増の2億01百万円、経常利益が同7.2%増の2億05百万円、純利益が同6.8%増の1億27百万円だった。モバイル事業が苦戦したが、ソリューション事業の好調が牽引した。

 セグメント別動向を見ると、ソリューション事業は売上高が同16.4%増の10億77百万円、営業利益が同67.3%増の1億87百万円だった。PBX(構内交換機)リプレース需要の取り込みや大型案件の計上が寄与した。また受注高は同48.7%増の5億89百万円、第2四半期末の受注残高は同52.0%増の2億34百万円と高水準だった。

 一方のモバイル事業は、売上高が同0.5%減の20億54百万円、営業利益が同81.3%減の14百万円だった。第2四半期(6月~8月)に来店客数と販売台数が減少したことに加えて、NTTドコモの営業戦略に伴う手数料収入の減少、端末仕入原価の上昇、広告費や人件費の増加、三郷インター店改装関連費用の発生などで営業損益が悪化した。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)17億01百万円、第2四半期(6月~8月)14億31百万円、営業利益は第1四半期1億37百万円、第2四半期64百万円だった。

■16年2月期会社予想据え置きだが増額余地

 通期の非連結業績予想は前回予想(4月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比5.0%増の60億56百万円で、営業利益が同11.9%増の3億01百万円、経常利益が同11.1%増の3億02百万円、そして純利益が同16.8%減の1億81百万円としている。

 純利益は前期計上した特別利益の移転補償金が一巡して減益予想だが、ソリューション事業の好調が牽引し、減価償却費増加などを吸収して2桁営業増益・経常増益予想だ。

 なお第2四半期累計実績を考慮してセグメント別計画はソリューション事業を増額、モバイル事業を減額修正した。修正後のソリューション事業は売上高が同19.0%増の20億10百万円、営業利益が同71.1%増の2億81百万円、モバイル事業は売上高が同0.8%減の40億46百万円、営業利益が同80.9%減の20百万円とした。

 ソリューション事業では、パートナー企業との共創展開(共同営業やセミナー・イベントの共同開催)の効果で、情報創造コミュニティーへの大手企業の新規来場が増加基調である。さらにPBXリプレース需要を起点とした案件の高度化・多様化・大型化なども寄与する。人事・給与システムのバージョンアップや収集・保管サービスを含むマイナンバー関連案件も期後半に受注が本格化する見込みだ。

 モバイル事業では、端末の利活用に関するサービス提案・提供による顧客の囲い込み強化、一部店舗におけるマイショップラウンジの設置や開店時間の早期化など、攻めの集客対策を実施して販売台数の増加や好採算の副商材販促などに繋げる。

 配当予想は前期の創業50周年記念配当5円を落として、同5円減配の年間50円(期末一括)としている。予想配当性向は33.0%となる。継続的かつ安定的な配当の実施を基本方針として、配当水準については業績連動による適正な配当とともに、業績悪化時も一定水準を維持するとしている。

 なお通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高51.7%、営業利益66.8%、経常利益67.9%、純利益70.2%である。3月期決算企業の年度末となる第1四半期の構成比が高い収益構造で、15年3月期は第2四半期累計構成比が売上高51.8%、営業利益71.0%だったが、それを考慮しても進捗率は高水準だろう。

 不透明要因が多いとして通期業績の会社予想を据え置いたが、モバイル事業における来店客数が9月以降は回復傾向であることも考慮すれば、通期業績の会社予想に増額余地がありそうだ。

■ストック型モデルの強化で高収益化目指す

 企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティ」をキーワードとして高水準に推移することが予想されるため、中期的に法人向けソリューション提案力向上によって付加価値提供へのシフトを加速する。

 ストック型収益モデルを強化して利益率を一段と向上させる方針であり、中期経営計画では目標値として17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調で一段の高収益化も期待される。

■株価は調整一巡感

 株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、そして1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈する。

 株価の動きを見ると、16年2月期業績予想の据え置きを嫌気する形で水準を切り下げた。10月14日には1760円まで下押す場面があった。年初来安値圏で調整局面だ。ただし8月25日の年初来安値1750円を割り込まずに、下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値1848円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS151円41銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS886円03銭で算出)は2.1倍近辺である。時価総額は約22億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、一方では、年初来安値圏の下ヒゲで1800円近辺に下値支持線を形成したようだ。指標面に割高感はなく、16年2月期業績予想の増額余地を評価して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]


日本エンタープライズは下値切り上げて戻り歩調、16年5月期は営業損益改善基調


 日本エンタープライズ<4829>(東1)はコンテンツ制作・配信や店頭アフィリエイト広告ビジネスなどを展開している。株価は8月の年初来安値から下値を切り上げて戻り歩調だ。16年5月期の営業損益改善基調を評価して出直り展開だろう。

■コンテンツサービス事業とソリューション事業を展開

 交通情報、ライフスタイル、電子書籍、ゲーム、メール、音楽などのコンテンツを制作してキャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス事業と、店頭アフィリエイト(広告販売)や企業向けソリューション(システム受託開発)などのソリューション事業を展開している。

 ライフスタイルコンテンツの分野では15年10月、子供が欲しいカップルの妊活ライフをサポートするアプリ「ラブめも」の配信を開始した。

 中国にも積極展開して、チャイナテレコムの携帯電話販売店運営や、電子コミック配信サービスなどを手掛けている。中国・上海の携帯電話販売事業については、キャリアの販売施策変更に影響されない収益構造構築を目指し、大口法人への営業強化、付属品販売強化、徹底的なコスト削減などの収益改善策を推進している。

 なお10月20日、中国全土をカバーするコンテンツ配信ライセンスを保有する中国子会社の北京業主行網絡科技有限公司の出資金持分を売却(譲渡実行は15年12月予定)すると発表した。連結業績への影響は現在精査中としている。

 05年12月に子会社化して、中国の携帯通信事業者(チャイナモバイル、チャイナユニコム、チャイナテレコム)向けにモバイルコンテンツを配信してきたが、その後のコンテンツプラットフォームの多角化に伴って、ICPライセンス保有メリットが低下し、同社の損失計上が続いているため出資金持分の売却を決定した。

 また今後の中国における事業展開については、中国での経験やノウハウを活かして、携帯電話等販売事業(チャイナテレコムの携帯電話販売店2店舗の運営)、卸売をはじめとしたソリューション事業(銀潤控股集団有限公司に対するサンリオキャラクター商品の日本からの輸出など)、およびモバイルコンテンツ事業を積極的に展開するとしている。

■ネイティブアプリと法人向け業務支援サービスを収益柱に育成方針

 配信コンテンツを自社制作して「権利を自社保有する」ビジネスモデルを基本戦略としている。そしてアライアンスも活用して事業領域を広げ、ネイティブアプリや法人向け業務支援サービスを新たな収益柱に育成する方針だ。

 ネイティブアプリの開発力強化、ゲームコンテンツ市場への本格参入、法人向け業務支援サービスの早期収益化に向けて、13年3月に音声通信関連ソフトウェア開発のandOneを子会社化、14年4月に子会社HighLabを設立、14年11月にアプリ開発の会津ラボを子会社化した。

 法人向け事業では14年8月、スマートフォンを活用して企業の内線電話網を構築するアプリケーション「AplosOneソフトフォン」を開発した。従業員のデスク上のビジネスフォン(固定電話)が不要となり、スマートフォンを内線電話として使用できるアプリケーションだ。また14年10月にはビジネス専用メッセンジャーアプリ「BizTalk」を発表した。

 子会社HighLabは15年6月、新機能「お絵かき通話」搭載したスマートフォン向け無料チャットアプリ「Fivetalk」最新版を公開した。

 15年5月にはスマートコミュニティ事業および太陽光発電・販売の合弁子会社として山口再エネ・ファクトリー設立(15年6月)を発表した。また子会社の会津ラボが、会津若松市「桜咲く会津プロジェクト実行委員会」が実施する「次世代型食品生産トライアル事業」へ、農作物の高品質化・高付加価値化を実現するアプリケーションならびにシステムを開発して提供すると発表した。ICTを活用してスマート農業を支援する。

 15年6月にはIDCフロンティアとクラウド分野で業務提携して、クラウド型統合運用監視サービス「プレミアクラウド」サービスを開始した。15年7月にはプロモートが実施する第三者割当増資を引き受けて子会社化した。拡大する受託開発案件への対応力強化、業務効率化ソリューションの販売促進などで事業領域拡大に繋げる方針だ。

 15年8月には、千葉県が少子化対策事業の一環として県民を支援するために提供するスマートフォンアプリ「ちばMy Style Diary」を、千葉県からの委託を受けて開発・運用開始した。

 15年9月には総合電子書籍サービス「BOOKSMART」PC版の提供を開始した。これまでスマホ・タブレット向けに提供してきたが、新たに未配信作品2万タイトルを追加投入してPC版サービスも開始する。

 また15年9月には子会社の会津ラボが、山口県周南市が運営する徳山動物園で、来園者を見たい動物の前まで道案内するナビゲーション「あるく動物ナビ」を開発し、サービス開始した。

■15年5月期はソリューション事業が大幅伸長したが原価率も上昇

 15年5月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(6月~8月)13億16百万円、第2四半期(9月~11月)11億98百万円、第3四半期(12月~2月)12億26百万円、第4四半期(3月~5月)13億76百万円、営業利益は第1四半期52百万円、第2四半期10百万円、第3四半期52百万円、第4四半期75百万円だった。

 15年5月期はソリューション事業の売上が大幅に伸長したが、原価率の上昇や販管費の増加などで営業損益がやや低調だった。15年5月期のROEは14年5月期比7.1ポイント低下して3.8%、自己資本比率は同5.9ポイント上昇して81.6%、配当性向は64.8%だった。

■16年5月期は営業損益改善基調

 今期(16年5月期)第1四半期(6月~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.2%増の13億19百万円、営業利益が同9.1%増の57百万円、経常利益が同5.6%増の60百万円、純利益が同88.7%減の24百万円だった。

 純利益は前年同期に計上した特別利益が一巡して減益だったが、ソリューション事業の大幅伸長が牽引して増収、営業増益、経常増益だった。売上高は第1四半期として過去最高を更新した。なおソリューション事業の大幅伸長に伴って原価率(55.2%)は同3.0ポイント上昇したが、広告宣伝費の減少などで販管費比率(40.4%)は同3.4ポイント低下した。

 セグメント別に見ると、コンテンツサービス事業は売上高が同7.1%減の6億01百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同25.1%増の1億81百万円だった。売上面ではエンターテインメント(ゲーム)関連が同8.1%増収と好調だったが、交通情報関連が同11.9%減収、ライフスタイル関連が同34.5%減収と低調だった。

 ソリューション事業は売上高が同7.4%増の7億18百万円、営業利益が同64.5%減の22百万円だった。売上面では広告関連が同46.5%減収と低調だったが、ソリューション(受託開発)関連が同84.7%増収、海外関連が同2.1倍増収と大幅伸長した。

 通期の連結業績予想は前回予想(7月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比19.2%増の61億円、営業利益が同2.4倍の4億50百万円、経常利益が同2.3倍の4億70百万円、純利益が同7.0%増の1億90百万円としている。配当予想は前期と同額の年間3円(期末一括)で予想配当性向は64.0%となる。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が21.6%、営業利益が12.7%、経常利益が12.8%、純利益が12.6%である。やや低水準だが、コンテンツサービス事業では交通情報やゲームなど、ソリューション事業では「店頭アフィリエイト」や法人向けソリューションの好調を見込んでいる。15年5月期はコンテンツサービス事業における広告宣伝費の増加、ソリューション事業における原価率上昇などで減益だったが、16年5月期は増収効果で営業損益改善基調が期待される。

■株価は下値を切り上げて戻り歩調

 株価の動きを見ると、8月の年初来安値223円から切り返して戻り歩調の展開だ。10月1日には318円まで急伸する場面があった。その後は270円~280円で推移して徐々に下値を切り上げている。

 10月28日の終値269円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円69銭で算出)は57倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS126円65銭で算出)は2.1倍近辺である。なお時価総額は約109億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。16年5月期の営業損益改善基調を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

JPホールディングスは底打ち反転して戻り歩調、アベノミクス「子育て支援」政策関連

 JPホールディングス<2749>(東1)は保育所運営の最大手で、グループ力を活かした総合子育て支援カンパニーである。アベノミクス「子育て支援」政策関連の主力銘柄だ。16年3月期2桁営業増益・増配予想で中期事業環境も明るい。株価は底打ち反転して戻り歩調の展開だろう。なお11月6日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。

■保育所運営の最大手で、グループ力を活かした総合子育て支援カンパニー

 04年持株会社に移行した。保育所・学童クラブ・児童館などを運営する子育て支援事業(日本保育サービス、四国保育サービス)を主力に、保育所向け給食請負事業(ジェイキッチン)、英語・体操・リトミック教室請負事業(ジェイキャスト)、保育関連用品の物品販売事業(ジェイ・プランニング販売)、研究・研修・コンサルティング事業(日本保育総合研究所)を展開している。

 15年3月期末の子育て支援施設数は、首都圏中心に認可園・公設民営14施設、認可園・民設民営102施設、東京都認証保育所26施設、認可外(市認定)4施設、学童クラブ46施設、児童館8施設の合計200施設(14年3月期比18施設増加)である。保育所運営の売上規模で競合他社を大きく引き離す業界最大手だ。

 当社の保育所は、保育理念を「生きる力を育む」として、オートロックや緊急通報機器などを整備して職員への安全研修も充実した安全・セキュリティ管理、食物アレルギー・感染症・食中毒などに対応するための各種マニュアル整備、保育用品一括購入でコストを抑制するコスト管理、ジェイキャストや日本保育総合研究所による独自の幼児教育プログラム活動、ジェイキッチンによる安全な給食とクッキング保育、日本保育総合研究所による発育支援などに強みを持つ。グループ総合力を活かした総合子育て支援カンパニーである。

 なお10月6日には、運営するすべての保育園(159園)および学童クラブ・児童館(65施設)に、10月中をメドとしてAED(自動体外式除細動器)の配置を行うと発表している。当社の保育園および学童クラブ・児童館でAEDを必要とする事故などが発生した事例はないが、当社の運営理念である「安全・安心を第一に」のもと万全を期すことにした。

■保育士確保に向けて新たな採用も推進

 人材活用面では、配偶者の転勤への対応や時短勤務などそれぞれのライフイベントに添った勤務体系、福利厚生・研修制度の充実、男女を問わない産休・育休取得の推進などに取り組んでいる。女性の産休・育休取得率は90%以上で、15年3月期は124名(女性122名、男性2名)が産休・育休を取得した。

 こうした取り組みが認められて15年3月には、女性活躍推進企業として東京証券取引所と経済産業省の共同企画である「なでしこ銘柄」に選定されている。

 また15年7月に16年春の新卒採用方針を発表した。保育士資格を有する学生230名を即戦力に近い人材として採用するとともに、別の新規採用枠として保育士資格を持たない新卒を多数(50名以上目標)採用する。

 保育士資格を持たない新卒の新規採用については、入社内定後の秋口に社内で業界初の「保育士養成講座」を開設し、16年4月の保育士試験にチャレンジさせる。保育士を目指す意欲のある一般学生に保育士資格取得のサポートを行う業界初の試みで、教材などの費用は会社が負担する。

 なお10月23日、北海道立・北海道札幌英藍高等学校の有志20名が、社会見学の一環として東京への修学旅行の最終日11月5日に、当社運営のアスクあざみ野保育園(認可保育園)およびアスク明大前保育園(認証保育園)を訪問して職場見学を行うと発表した。女子生徒が中心で、保育園の仕事に関心を持っている、将来は保育士として働きたいなどとして、職場見学の要望があったようだ。

■第3四半期(10月~12月)の利益構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)42億29百万円、第2四半期(7月~9月)44億09百万円、第3四半期(10月~12月)45億93百万円、第4四半期(1月~3月)46億37百万円、営業利益は第1四半期2億19百万円、第2四半期3億29百万円、第3四半期5億69百万円、第4四半期3億14百万円、経常利益は第1四半期2億55百万円、第2四半期3億56百万円、第3四半期5億86百万円、第4四半期4億39百万円だった。

 4月に新規施設の開園が集中することに加えて、15年3月期までは第4四半期に決算賞与を支給していたため、営業利益は第1四半期および第4四半期がやや低水準となり、稼働率が上昇する第3四半期が高水準となりやすい。また経常利益は営業外収益での補助金収入の増減も影響する。

 なお15年3月期の新規開設は、保育所17施設、学童クラブ4施設の合計21施設だった。また閉鎖は保育所3施設(認可保育所へ移転新設のため)、学童クラブ3施設(契約期間満了により撤退)だった。

 また15年3月期の配当性向は33.3%だった。配当については配当性向30%前後の業績連動型配当の継続実施を基本方針としている。ROEは14年3月期比0.3ポイント上昇して18.5%、自己資本比率は同7.2ポイント低下して30.2%となった。

■16年3月期は2桁営業増益・連続増配予想

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月8日公表)は、売上高が前期比14.2%増の204億11百万円、営業利益が同21.5%増の17億40百万円、経常利益が同6.3%増の17億40百万円、純利益が同26.5%増の12億70百万円としている。配当予想は前期比1円増配の年間5円(期末一括)で予想配当性向は32.9%となる。

 新規施設開設による増収効果で、新規施設開設費用および保育士募集採用費や人件費の増加などを吸収して2桁営業増益予想だ。なお全施設の平均稼働率は保育士不足の影響で85%程度にとどまっているが、保育士の補充が進展すれば稼働率の向上が可能としている。

 第1四半期(4月~6月)は売上高が前年同期比15.4%増の48億81百万円、営業利益が同13.4%増の2億48百万円、経常利益が同9.5%増の2億80百万円、純利益が同9.3%増の1億97百万円だった。

 新規施設開設効果で増収増益だった。売上総利益率は13.9%で同1.1ポイント低下したが、販管費比率は8.8%で同1.1ポイント低下した。営業外収益での補助金収入は23百万円で同5百万円減少した。

 新規開設は保育所17施設、学童クラブ12施設、児童館2施設の合計31施設で、新たに名古屋市に参入した。この結果15年6月末の子育て支援施設数は、認可園・公設民営14施設、認可園・民設民営118施設、東京都認証保育所26施設、認可外(市認定)1施設、認可外1施設、学童クラブ55施設、児童館10施設の合計225施設(15年3月期末比25施設増加)となった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.9%、営業利益が14.3%、経常利益が16.1%、純利益が15.5%である。低水準の形だが、第3四半期の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならない。期後半に向けて稼働率が上昇し、売上総利益率の上昇も期待される。通期ベースで増収増益基調に変化はないだろう。

■中期経営計画で18年3月期経常利益21億円目指す

 15年5月に発表した新中期経営計画では基本方針として、総合子育て支援企業のリーディングカンパニーとして待機児童問題の解消に寄与するため、良質な子育て支援サービス提供の拡充を加速するとともに、子育て支援事業に次ぐ第2の柱となる事業の育成を図るとしている。

 また重点目標を、保育サービスの量的・質的向上、人材獲得に向けた採用活動の強化、第2の収益源の創設、経営管理の高度化、コンプライアンスの徹底およびコーポレートガバナンスの強化とした。

 目標数値には18年3月期の売上高246億円、経常利益21億円を掲げている。3期間合計の開設数は保育所47施設、学童クラブ・児童館28施設、合計75施設の計画で、このうち17年3月期には東北や近畿にも進出して保育所15施設、学童クラブ・児童館7施設の開設を予定している。

■子育て支援や待機児童解消などアベノミクス重点戦略を背景に中期成長

 全国の保育所利用児童数は増加基調で、待機児童数は緩やかに減少傾向となっているが依然として解消せず、潜在需要も顕在化して首都圏や地方主要都市など、都市部を中心に保育サービスの需要は高水準である。

 アベノミクス成長戦略では「女性活用推進」を重点分野に位置付け、待機児童解消に向けた取組として、17年度末までに潜在的ニーズを含めて約40万人分の受け皿を確保することで待機児童解消を目指している。13~14年度を「緊急集中取組期間」として約20万人分、そして15~17年度を「取組加速期間」として、15年4月に新「子ども・子育て新支援制度」がスタートした。さらに約20万人分の保育の受け皿を確保する方針だ。

 保育士の確保が課題だが、国家戦略特区における保育士試験の年2回実施など規制緩和、制度面での支援、運営補助金拡大などの動きが活発化している。また収益構造改善に向けた取り組みとして、体育講師や英語教師の派遣、物販の充実、給食の請負なども推進している。アベノミクス重点戦略を背景とする中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は底打ち反転して戻り歩調

 株価の動きを見ると底打ち反転して戻り歩調の展開だ。アベノミクス「新3本の矢」を好感した10月5日の戻り高値372円から利益確定売りで一旦反落したが、320円近辺から切り返す動きだ。

 10月27日の終値338円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円22銭で算出)は22~23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間配当5円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS69円14銭で算出)は4.9倍近辺である。なお時価総額は約282億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなった。また週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を突破した。8月の年初来安値248円で底打ちし、反転して強基調へ転換した形だ。16年3月期2桁営業増益・増配予想で中期事業環境も明るい。戻り歩調の展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

PALTEKは15年12月期業績は3回目の増額の可能性、FPGAに注目

 PALTEK<7587>(JQS)はFPGAを主力とする半導体輸入商社である。そして受託設計・開発のデザインサービス事業も強化している。株価は戻り歩調の展開だ。15年12月期業績予想は3回目の増額修正の可能性が高い。世界的にFPGAをメインチップとする流れで、自動車の先進運転支援システム関連としても注目度が高まっている。なお11月5日に第3四半期累計(1月~9月)の業績発表を予定している。

■FPGAなどの半導体販売・技術支援事業が主力

 ザイリンクス社のFPGA(PLDの一種で設計者が手元で変更を行いながら論理回路をプログラミングできるLSI)を主力として、特定用途IC、汎用IC、アナログ、メモリなどを扱う半導体販売・技術支援事業、試作ボードや量産ボードなどを受託設計・開発・製造(ODM、EMS、OEM)するデザインサービス事業、さらに新規事業としてスマートエネルギー事業(病院・介護施設向け停電対策システム)を展開している。海外は香港に拠点展開している。

 主要仕入先はFPGAがザイリンクス社、汎用ICがNXPセミコンダクターズ社、マイクロチップテクノロジー社、アナログがリニアテクノロジー社、メモリがマイクロンテクノロジー社である。用途別には産業機器向けを主力としてFA機器、通信機器、放送機器、医療機器、車載機器向けなどに展開し、センサー分野のソリューションも強化している。主要販売先はNEC<6701>、京セラ<6971>、オリンパス<7733>などである。

■事業領域拡大も積極推進

 12年7月にはODM/EMS事業推進、および映像・画像処理関連の自社製品事業の本格展開に向けてエクスプローラを子会社化した。同社はレート制御機能搭載「H.264コーデック装置」を開発し、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション実用化ベンチャー支援事業として「レート制御機能搭載4K対応H.265コーデック装置実用化開発」および「超低遅延8K対応HEVC-ECFによるハイブリッド配信装置」が採択されている。

 14年6月には子会社テクノロジー・イノベーションを設立した。サイミックス社から半導体事業およびMEMS(微小電気機械システム)事業を譲り受けて、特定顧客向け人感センサーの信号処理ICの開発を推進する。

 14年11月にはエクスプローラがフジテレビジョンと共同でH.264小型ライブ中継伝送装置「VideoCast Advance」を開発した。大規模な機材を使わず簡単にライブ中継することが可能になる。そして15年2月にはNHKと「H.264HD対応IP蓄積伝送装置」を共同開発した。火山噴火口、土砂流、津波などの監視を行う情報カメラで収録した映像を瞬時に活用することが可能になる。

 15年2月には超高精度衛星測位システムを開発するマゼランシステムズジャパンと総販売代理店契約を締結した。センサー分野のソリューション強化の一環として、センチメートル級の精度が要求される産業機器や農業機械の自動運転向けなどにRTK(リアルタイム・キネマティック)GNSSシステムを提供する。

 15年5月には赤外線カメラのグローバルリーディングカンパニーである米フリアーシステムズ社の、赤外線カメラに関するセンサー製品の販売を開始すると発表した。検査機器、防災機器、セキュリティ用監視カメラなど、さまざまな分野で成長が期待される赤外線カメラに関するソリューションを提供することが可能になる。

 15年8月には、データ分析と予測サービスを提供して世界150ヶ国の企業と政府機関の意思決定と戦略策定を支援している米IHS社との販売代理店契約締結を発表した。これによって、顧客の製品企画や設計開発、迅速な電子部品・半導体の選定、半導体・電子部品の製造中止部品に対するリスク管理などに関するソリューションを提供することが可能になる。

 10月6日には、病院向け停電対策システム提供の一環として、透析施設向けに72時間以上の電力供給を実現するプロパンガス式自家発電システムの提供を開始すると発表した。

 また10月16日には、マゼランシステムズジャパンの「低コストで実現された、自動運転用高精度衛星測位モジュールとIMU(慣性演算装置)との高度カップリングシステム」が、CEATEC AWARD 2015ソーシャル・イノベーション部門グランプリに選出されたと発表している。

■15年12月期業績予想は3回目の増額の可能性

 今期(15年12月期)の連結業績予想(7月9日に2回目の増額)は、売上高が前期比18.8%増の275億円、営業利益が同19.0%増の12億円、経常利益が同8.8%増の11億45百万円、純利益が同30.5%増の7億35百万円としている。

 事業別売上高の計画は半導体事業が同6.2%増の258億50百万円(うちFPGAが同9.6%増の120億円、特定用途ICが同4.5%減の63億円、汎用ICが同14.7%増の33億50百万円、アナログが同9.1%増の20億50百万円、メモリが同7.5%増の21億50百万円)、デザインサービス事業が同横ばいの14億50百万円、その他が同横ばいの2億円としている。新規顧客案件も順調に伸長する。

 通期ベースでの売上総利益率の想定は同0.9ポイント低下の15.1%としている。新規顧客案件は取引開始当初の利益率が低下すること、競争激化などで全体として利益率が低下傾向であることを考慮している。また下期の為替影響を見込んでいない。ただし下期もドル高・円安傾向であり、仕入先に対するドル建て仕入値引き債権評価額を含む為替レート変動影響が増益要因となるだろう。

 第2四半期累計(1月~6月)は売上高が前年同期比14.0%増の133億08百万円で、営業利益が同78.8%増の7億47百万円、経常利益が同83.2%増の7億13百万円、純利益が同99.0%増の4億54百万円だった。

 事業別売上高は、半導体事業が同13.8%増の125億24百万円(うちFPGAが同25.0%増の53億33百万円、特定用途ICが同3.9%減の32億17百万円、汎用ICが同16.4%増の18億49百万円、アナログが同11.2%増の9億66百万円、メモリが同24.0%増の11億54百万円)、デザインサービス事業が同17.0%増の7億04百万円、その他が同20.3%増の79百万円だった。

 売上面では、主力のFPGAで産業機器関連の新規顧客との取引が増加して医療機器向けも堅調だった。汎用ICではオフィス機器向け、アナログでは医療機器向け、メモリでは産業機器向けなどが増加した。利益面では為替影響を含む売上総利益率が同1.9ポイント上昇して16.1%となり、販管費の増加を吸収して大幅増益だった。

 なお売上総利益率については、新規顧客案件が取引開始当初はやや低採算となるため為替影響を排除した段階では同1.0ポイント低下して13.4%となったが、ドル高・円安進行に伴い、仕入先に対するドル建て仕入値引き債権評価額を含む為替レート変動影響が増益要因として3億56百万円発生(前年同期は減益要因として31百万円発生)した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)65億08百万円、第2四半期(4月~6月)68億円、営業利益は第1四半期4億59百万円、第2四半期2億88百万円だった。第2四半期の営業利益は新規顧客案件が取引開始当初でやや低採算となったことや販管費の増加が影響した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.4%、営業利益が62.3%、経常利益が62.3%、純利益が61.8%と高水準である。ドル高・円安傾向であることも考慮すれば、通期会社予想は3回目の増額の可能性が高いだろう。

 なお配当予想(2月12日公表)については前期と同額の年間8円(期末一括)を据え置いている。ただし業績予想の増額に伴って配当も増額の可能性がありそうだ。

■FPGAの市場拡大に注目

 中期的な収益向上に向けた取り組みとして、半導体事業では高付加価値製品の取り扱い拡大、中核製品であるFPGAのさらなる拡販、センサーおよびソフトウェア市場の開拓、医療・産業・通信・放送など成長分野への注力、デザインサービス事業では医療・放送・通信分野の受託設計・開発・ODM強化、自社製品の開発・販売強化、スマートエネルギー事業では病院・介護施設向け停電対策システムの構築・販売を強化する方針だ。

 中核製品のFPGAに関しては、通信・産業・放送・医療・車載機器分野において、新規顧客獲得を含めて拡販を強化する。FPGAは論理回路構成を自由に書き換えられるため、世界的なトレンドとしてプロセッサーを内蔵したFPGAをメインチップとする傾向を強めている。米インテルがFPGA大手の米アルテラを約167億ドル(約2兆7000億円)で買収したことでも注目された。そして今後は自動車の先進運転支援システム(ADAS)分野などを中心として市場拡大が予想されている。

 またセンサー関連市場に関しては、赤外線カメラのグローバルリーディングカンパニーである米フリアーシステムズ社の赤外線カメラモジュールを、産業機器(検査機器、防災機器、産業向け携帯情報端末)やセキュリティ用監視カメラ向けに拡販する方針だ。高度なデザイン力やソリューション力を武器として中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は8月安値から切り返して戻り歩調、中期成長力を評価

 株価の動きを見ると、悪い合いも影響した8月の直近安値545円から切り返し、10月以降は700円近辺まで上伸している。調整が一巡して戻り歩調の展開だ。

 10月27日の終値695円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円21銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS766円18銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約82億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。そして25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなった。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。指標面に割安感があり、15年12月期業績予想3回目の増額修正の可能性、さらに中期成長力を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

ジャパンインベストメントアドバイザーは環境エネルギー関連の新たな取組として汚泥削減システム分野に参入

 ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)<7172>(東マ)はオペレーティング・リース、環境エネルギーファンドを中心に金融ソリューション事業を展開し、M&Aも活用して純利益毎期50%以上の成長を目指している。27日には環境エネルギー関連の新たな取組として汚泥削減システムのフジ・エコ・テクノス社への出資を発表した。株価は上げ一服の形だが戻り歩調に変化はなく、中期成長力を評価する動きが強まりそうだ。なお10月29日に第3四半期累計(1月~9月)の業績発表を予定している。

■オペレーティング・リース主力に金融ソリューションを展開

 設立(06年9月)時からのオペレーティング・リース事業を主力として、07年2月にM&Aアドバイザリー事業、14年5月に太陽光発電第1号ファンドを組成して環境エネルギーファンド事業を開始した。14年12月には投資銀行本部を設置して金融ソリューション事業を本格展開している。

■オペレーティング・リース事業の対象領域を拡大

 主力のオペレーティング・リース事業は、11年8月設立の子会社JPリースプロダクツ&サービシイズ(JLPS)が第二種金融商品取引業登録業者として、航空機や海上輸送用コンテナを主対象に展開している。また米CAI社(NY証券取引所上場)と07年1月合弁で設立したCAIJ社(コンテナ・オペレーティング・リース事業)を持分法適用関連会社としている。

 10月6日には航空機を対象としたパーツアウト・コンバージョン事業の開始を発表した。パーツアウト事業は退役航空機を解体し、その各部品を在庫管理し、世界の整備会社・リース会社・航空会社等へ販売する事業、コンバージョン事業は機齢の経った旅客機を輸送機等に改造してリサイクルする事業である。営業利益率20%前後と比較的高い収益性が期待できるとしている。

 10月14日には船舶を対象とした日本型オペレーティング・リース第1号案件の組成完了を発表した。リース開始日は15年10月13日、リース対象物件はリベリア船籍1隻(96年製、積載容量約4200立米)、賃借人はケミカルタンカーオペレーター大手である。これにより対象物件として航空機・船舶・海上輸送用コンテナのすべての領域をカバーすることになった。投資対象の多様化という顧客ニーズに応えて収益拡大を加速する。

■中期成長に向けて環境事業を拡大

 主力のオペレーティング・リース事業に加えて、中期成長に向けてM&Aも積極活用しながら環境関連事業を拡大する方針だ。

 15年5月にLEシステム(福岡県)の株式を取得して資本業務提携した。同社の電力備蓄用バナジウムレドックスフロー電池(VRFB)は太陽光発電の出力抑制に有効な蓄電システムとして期待されている。さらにバイオマス発電に関するノウハウも豊富であり、当社の投資ネットワークやファイナンス技術との補完によって、再生エネルギー分野でのシナジー効果を創出する。今後LEシステムへの出資比率引き上げも含めて、環境エネルギー事業を一段と拡大させる方針だ。

 なお9月4日付の日本経済新聞電子版ニュースでは「LEシステムが17年をメドにバナジウムレドックスフロー電池を製品化する方針」と報じている。主要材料である電解液の安価な製造法など独自技術の開発に成功したとしている。製品化した大容量電池を再生エネルギー取扱業者などに販売するほか、災害時の非常用電源として自治体などからの需要を見込み、電解液を他のメーカーに供給することも検討しているようだ。

 15年9月には、あすかグリーンインベストメント(AGI)の株式を取得(発行済株式数600株のうち300株)して資本・業務提携した。AGIはウクライナ、カザフスタンなど主に中央アジア、南アジアにおいて再生可能エネルギーや省エネルギー事業を展開している。AIGの環境ビジネスのノウハウと当社のファイナンス技術などとのシナジー効果を創出して、相互の事業発展を目指す方針だ。

 また10月27日には環境エネルギー関連の新たな取組として、汚泥削減システムのフジ・エコ・テクノス(FET社、大阪市)への出資(46.7%を取得)を発表した。FET社は、汚泥に水撃圧を加えて生物処理層へ返送することができる新しい汚泥削減システム(水撃法)を開発し、特許を取得している。また同社は噴流炭化システムの開発を行っており、当社が推進しているバイオマス発電事業などに大きく寄与するとしている。

■PE投資やIR支援にも進出

 プライベート・エクイティ(PE)投資や、上場企業のIR支援などにも進出して、事業の多角化も加速している。

 15年8月にはプライベート・エクイティ(PE)投資事業に本格的に進出するため、100%出資のPEファンドJPE第1号を設立してバリューアップ投資を開始すると発表した。当面は3億円を上限として当社100%出資で運営するが、将来的には投資家からの資金も受け入れる予定だ。

 第1号案件として日本マンパワーのグループ会社で人材派遣・紹介事業を展開するNMPスペシャリストの全株式を取得した。NMPスペシャリストは当社グループ入りと同時に日本マンパワーと包括的業務提携を締結し、当社の主要顧客である全国の優良な中堅・中小企業向け人材供給、ならびに人材育成・教育やキャリアアップへの参画を図る。3年後の上場を目指すとしている。

 15年9月には日本証券新聞および日本証券新聞リサーチの全株式を取得して子会社化した。両社を通じて新聞・出版・広告を中心としたメディア関連事業、およびIR(投資家向け広報)支援事業に進出する。当社が持つ金融機関や会計事務所などとのネットワークを最大限活用し、さまざまな金融情報の提供、全国の上場会社へのIR支援業務を積極的に展開する方針だ。

 またIR支援サービスの日本証券新聞リサーチと、人材派遣・紹介事業のNMPスペシャリストが連携して、人材難に悩む企業に対して中小企業診断士や社外取締役などを紹介・マッチングする事業なども展開するようだ。

■案件組成・出資金販売・管理などに伴う手数料収入が収益柱

 オペレーティング・リース事業および環境エネルギーファンド事業の組成・出資金販売・管理などに伴う手数料収入が収益柱である。会計上の売上高認識基準は、顧客(投資家)から案件ごとに募集している出資金の販売すべてが終了した時点において、出資金に含まれる手数料を売上高として計上する。

 なお従来は営業費用に計上していた紹介手数料および案件組成に係る弁護士費用、営業外費用に計上していた案件組成に係る金融費用について、売上との直接的な対応関係を明確にするため、15年12月期から売上原価に計上している。

■15年12月期増収増益基調(7月29日に増額修正)

 今期(15年12月期)の連結業績予想(7月29日に増額修正)は、売上高が前期比2.1倍の22億21百万円、営業利益が同95.7%増の10億45百万円、経常利益が同60.1%増の10億90百万円、そして純利益が同54.8%増の6億55百万円としている。配当予想については無配継続としている。オペレーティング・リース事業および環境エネルギーファンド事業とも案件組成および出資金販売が大幅伸長する。

 第2四半期累計(1月~6月)は前年同期比52.5%増収、同0.4%営業減益、同39.8%経常減益、同36.1%最終減益だった。販管費の増加で営業微減益となり、営業外費用の増加(支払利息、支払手数料、為替差損の増加)も影響して経常減益、最終減益だった。しかしオペレーティング・リース事業および環境エネルギーファンド事業とも、案件組成および出資金販売が伸長して大幅増収だった。

 組成は航空機2件(組成金額222億93百万円)、コンテナ1件(同36億24百万円)、太陽光発電3件(同18億25百万円)の合計6件、販売は航空機4件(販売金額49億63百万円)、コンテナ2件(同17億72百万円)、太陽光発電3件(同16億65百万円)の合計9件(同84億01百万円)だった。また第2四半期末の商品在庫として航空機4件(募集総額98億74百万円)、コンテナ1件(同11億22百万円)の組成を完了している。

 販売ネットワークは新たに地方銀行8行、税理士・会計事務所13事務所とビジネスマッチング契約を締結し、累計提携先は地方銀行19行、証券会社6社、税理士・会計事務所80事務所となった。また資金調達枠(コミットメントライン融資枠・当座貸越契約等)は14年12月期末比30.0億円増加の52.3億円となった。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)4億30百万円、第2四半期(4月~6月)3億50百万円、営業利益は第1四半期1億85百万円、第2四半期94百万円だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が35.1%、営業利益が26.7%、経常利益が15.2%、純利益が16.3%である。低水準の形だが下期(7月~12月)に多くの案件を抱えているため、特に第4四半期(10月~12月)に売上高が膨らむ見込みとしている。通期ベースで増収増益基調に変化はないだろう。

■案件供給・販売とも需要は高水準

 14年9月の東証マザーズ上場によって知名度・信用力が向上し、資金調達力や営業力も向上した。そして案件供給面では、オペレーティング・リース事業における航空機部門、海運コンテナ部門とも、賃借人からの引き合いが途絶えることなく、潜在需要が豊富な状態が続いている。また環境エネルギーファンド事業においても潜在的な案件数は豊富である。

 販売面では知名度・信用力の向上に伴って、全国の金融機関・会計事務所・コンサルティング会社等からの顧客紹介が増加している。そして主要顧客である中堅・中小企業の収益改善や法人実効税率の段階的引き下げ実施期待も背景として、全国に広がる顧客(投資家)の投資意欲は高水準だ。航空機オペレーティング・リースは賃借人が欧米の一流航空会社であることも好評の一因のようだ。太陽光発電ファンドも為替リスクのない安定利回り商品として投資家ニーズが高い。

■純利益ベースで毎期50%以上の成長を計画

 中長期成長戦略として、第1ステージは航空機・オペレーティング・リース事業での競争力の高い商品供給による規模の拡大、第2ステージは参入障壁が比較的高く、物件価値が比較的安定しているコンテナ・オペレーティング・リース事業でのラインナップ充実、第3ステージはオペレーティング・リースの代替商品として、太陽光発電を中心とした環境エネルギーファンド事業の強化を推進してきた。

 そして今後の第4ステージでは、当社の優良中堅・中小企業の顧客基盤を十分に拡充しつつ、M&Aアドバイザリー事業、プライベート・エクイティ(PE)投資事業、不動産投資事業、事業承継・再生ファンド事業、ウェルス・マネジメント事業、中小企業に対する人材紹介事業など、金融ソリューション事業を中心にM&Aも積極活用して事業領域を広げる方針だ。

 オペレーティング・リース事業の継続的強化、環境エネルギーファンド事業の拡大、全国に広がる幅広い投資家層ニーズにマッチングした最適な金融商品とソリューションの提供に向けて、組成面では旺盛な投資家ニーズに対応した案件供給、新規賃借人の開拓、安定かつ機動的な資金調達力の確保、運用型商品の開発、販売面では全国の金融機関・会計事務所・コンサルティング会社などとの連携による販売ネットワークの拡充を推進する。

 白岩直人代表取締役社長は「オペレーティング・リースの市場規模は今年度末に2500億円程度になると推測している。当社のシェアは現在10%程度だが早期に20%程度まで伸ばしていきたい。顧客の投資意欲は旺盛であり、当社の商品は現在検討されている税制改正に対する準備ができているため有利な状況だ」と述べている。そして「M&Aも積極活用して事業多角化やシナジー創出という成長戦略を推進し、純利益ベースで毎期50%以上の成長を目指す」と高成長に自信を見せている。

 主力のオペレーティング・リース事業は高水準の需要を背景として一段の伸長が予想される。さらに環境エネルギー事業やPE投資事業なども本格化して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は上げ一服の形だが戻り歩調に変化なし

 株価の動きを見ると、8月の年初来安値885円から反発して10月16日の1898円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、1700円近辺で推移して大きく反落する動きも見られない。戻り歩調に変化はないだろう。

 10月27日の終値1723円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS58円86銭で算出)は29~30倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS122円78銭で算出)は14倍近辺である。なお時価総額は約192億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。また週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破し、強基調への転換を確認している。戻り歩調に変化はなく中期成長力を評価する動きが強まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

ジャパンフーズは16年3月期第2四半期累計は大幅増益、低PBRを見直し

 ジャパンフーズ<2599>(東1)は飲料受託生産の最大手で、新規ビジネス分野への展開も強化している。26日発表の16年3月期第2四半期累計(4月~9月)業績は大幅増益だった。通期でも好業績が期待される。株価は下値固めが完了して戻り歩調の展開だ。2%台の予想配当利回りや0.8倍近辺の低PBRという割安感を見直す動きが強まりそうだ。

■飲料受託生産の国内最大手、フレキシブルで効率的な生産に強み

 伊藤忠商事<8001>系で飲料受託生産(OEM)の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。

 主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園<2593>、サントリー食品インターナショナル<2587>などの大手飲料メーカーである。容器別にはペットボトル飲料が主力で、缶飲料は戦略的に減少させている。

 さまざまな容器(ペットボトル、瓶、缶)の飲料を世界最大級の本社1工場で生産し、市場環境や顧客ニーズの変化に対応したフレキシブルで効率的な生産を強みとしている。容器のコストダウンなどにも積極的に取り組んでいる。また本社工場のある千葉県長柄町は、首都圏に近いロケーションという競争優位性に加えて、表層地盤の揺れやすさが0.4~0.6と安定しているため災害優位性にも優れている。

■上期(4月~9月)が繁忙期、下期(10月~3月)が閑散期の収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)89億32百万円、第2四半期(7月~9月)67億28百万円、第3四半期(10月~12月)45億49百万円、第4四半期(1月~3月)46億53百万円、営業利益は第1四半期6億37百万円、第2四半期1億54百万円、第3四半期4億67百万円の赤字、第4四半期2億65百万円の赤字だった。

 また受託製造量は第1四半期1344万6千ケース、第2四半期1068万9千ケース、第3四半期735万3千ケース、第4四半期926万ケースだった。

 夏場の上期(4月~9月)は繁忙期だが、冬場の下期(10月~3月)は飲料業界全体の閑散期となって生産量が減少するため、下期は営業損益が赤字となる収益構造だ。ただし15年3月期の第4四半期は第3四半期に比べて赤字が縮小した。15年3月期は消費増税の影響や夏場の天候不順の影響を受けたが、受託製造量増加や生産性向上などで営業損益は改善基調だ。

 なお、建物およびリース資産を除く有形固定資産の減価償却方法について、16年3月期から「主として定率法」を「主として定額法」に変更した。

■16年3月期第2四半期累計は大幅増益、通期も大幅増益予想

 10月26日発表の今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)非連結業績は、売上高が前年同期比38.8%減の95億84百万円だが、営業利益が同97.5%増の15億64百万円、経常利益が同96.7%増の15億56百万円、純利益が同2.2倍の10億36百万円だった。営業利益、経常利益、純利益は第2四半期累計として過去最高益を記録した。

 一部飲料メーカーとの取引形態変更(有償支給から無償支給に変更)に伴って見かけ上の売上高は大幅に減少したが、実質的な売上高となる加工賃収入は同6.6%増の62億05百万円と増収だった。受託製造量は同4.8%増の2528万6千ケースだった。

 消費増税や天候不順の影響が一巡して飲料業界全体の販売数量が同1.3%増(ミネラルウォーター除く)と上向き、積極的な営業活動による新規商材の受託なども寄与して加工賃収入が順調に増加した。

 そして売上総利益は同43.7%増加した。加工賃収入の増加に加えて、自社でペットボトルを製造することによる製造利益の取り込み、原価低減による変動経費の減少、減価償却方法変更に伴う減価償却費の減少も寄与した。

 なお四半期別に見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)55億28百万円、第2四半期(7月~9月)40億56百万円、営業利益は第1四半期10億54百万円、第2四半期5億10百万円、受託製造量は第1四半期1405万7千ケース、第2四半期1122万9千ケースだった。

 通期の非連結業績予想は前回予想(4月24日公表)を据え置いて、売上高が前期比32.8%減の167億円、営業利益が同11.4倍の6億80百万円、経常利益が同11.6倍の7億円、純利益が3億90百万円(前期は24百万円の赤字)としている。

 一部飲料メーカーとの取引形態変更に伴って見かけ上の売上高は大幅に減少するが、消費増税や天候不順の影響一巡、新規商材の受託などで受託製造量が増加し、実質的な売上高となる加工賃収入は順調に増加する。操業度上昇効果やコストダウン効果も寄与して大幅増益予想だ。受託製造量は同11.2%増の4529万6千ケース、加工賃収入は同9.6%増の106億29百万円の計画としている。

 9月~10月の気温低下など天候面の不透明感が強く、また次期中期経営計画策定に向けた準備などで経費増加の可能性があるとして通期予想を据え置いたが、やや保守的な計画としているため増額余地がありそうだ。

 配当予想についても前回予想(4月24日公表)を据え置いて、前期と同額の年間27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。予想配当性向は33.4%となる。健全な財務体質を目指し、将来の事業発展に備えた設備投資等のための内部留保を確保する一方、業績に応じた安定かつ継続的な配当を行うことを基本方針としている。

■コア事業の収益拡大に向けた投資と新規ビジネスの拡大を推進

 中期成長戦略については、コアビジネス(国内飲料受託製造事業)の収益拡大に向けて将来を見据えた投資の着実な推進、低重心経営の実践、新規商材への取り組み強化、および新規ビジネス(海外飲料受託製造事業、国内水宅配事業、自社ブランド商品、その他)の着実な推進と事業収益の拡大、そして成長戦略を支える経営基盤の強化としている。

 コアビジネス(国内飲料受託製造事業)では積極投資を推進し、12年7月に本社工場で世界最新鋭の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン(Eライン)が稼動した。14年3月には既存の大型ペットボトルライン(Tライン)もリバイタライズ(機能増強)で炭酸・非炭酸兼用無菌充填ライン化した。今後も既存設備のスクラップ&ビルドを含めた積極投資を推進する方針だ。

 新規ビジネス分野では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、および中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司(東洋製罐との合弁)への出資比率を引き上げている。ウォーターネットの販売数量、東洋飲料(常熱)の受託製造量とも順調に増加し、ウォーターネットは黒字が定着したようだ。

 東洋飲料(常熱)は中国における日系初の飲料受託製造会社で、国際的な認証規格「FSSC22000」も取得している。第1期として2ライン(12年8月、9月)、第2期として2ライン(13年5月、8月)が稼働し、15年8月には1ラインを大型PET対応に改造した。15年は中国系メーカーを中心に取引先が大幅に増加し、受託製造量が拡大する16年の黒字化を目指している。

 自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品「おいしい房総サイダー」シリーズなどを、千葉県を中心に販売している。15年6月には「千葉のおいしいお茶」を「千葉のおいしいお茶 房総(ふさ)みどり」としてリニューアル販売を開始した。千葉県大網白里市にある河野製茶工場で自家栽培され、千葉県の「ちばエコ農産物」に指定された茶葉のみを使用している。

■16年4月以降にポスト中期経営計画を公表の方針

 15年4月に4ヵ年中期経営計画「JUMP2015」のレビューと見直しを発表した。3年度目の15年3月期が消費マインドの低迷や全国的な天候不順の影響を受けて計画を下回ったため、最終年度16年3月期の計画を見直した。

 ただし経営方針および方向性を堅持し、成長戦略を着実に推進するとしており、新規ビジネスの連結収益化目標は17年3月期以降としている。

 また10月1日付で組織変更を実施した。国内外での新規ビジネス創出・推進機能の強化を図るため、新規ビジネス事業部に海外チームを新設した。また水宅配事業の強化を図るため、新規ビジネス事業部のWNチームを移管してウォーターネット事業部を新設した。新規ビジネス分野の業容拡大・収益化を加速させる戦略だ。

 なお16年4月以降にポスト中期経営計画を公表する方針としている。新規ビジネス分野を含めてM&Aの活用も視野に入れて、戦略的パートナーである伊藤忠商事や東洋製罐との連携も強化するようだ。

■飲料受託生産の役割・存在感が一段と高まる

 飲料業界全体が天候の影響を受けやすいことに加えて、大手飲料メーカーの内製拡大による受託製造量の減少を懸念する見方もあるようだが、夏場の繁忙期と冬場の閑散期という季節間の需要格差が大きい業界のため、大手飲料メーカーにとって内製拡大は設備投資や固定費負担の面でリスクが大きい。また飲料メーカーは経営効率化の観点からも、経営資源の重点をマーケティング分野にシフトする動きを強めている。このため飲料受託生産の役割や存在感は一段と高まっている。

 そして当社は飲料受託生産の最大手として、高品質でフレキシブルな生産対応が可能な強みを発揮して受託製造量の増加が期待される。中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了して戻り歩調、低PBRを見直し

 なお株主優待制度については、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上所有株主に対して、当社製品詰め合わせセットを贈呈している。

 株価の動きを見ると、8月下旬~10月上旬の直近安値圏1080円近辺で下値固めが完了して戻り歩調の展開となった。10月26日には取引時間中に発表した第2四半期累計の大幅増益を好感して1175円まで上伸する場面があった。

 10月27日の終値1143円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS80円86銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1464円85銭で算出)は0.8倍近辺である。なお時価総額は約58億円である。

 日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。また週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を突破した。下値固めが完了して強基調への転換を確認した形だ。16年3月期大幅増益予想であり、2%台の予想配当利回りや0.8倍近辺の低PBRという割安感を見直す動きが強まりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

トシン・グループは調整の最終局面、低PBRや継続的な自己株式取得を見直し

 トシン・グループ<2761>(JQS)は電設資材などの卸売事業を展開し、営業拠点網拡充などで事業基盤を強化している。16年5月期第1四半期は減収ながら2桁増益だった。株価は8月の年初来安値に接近して調整の最終局面と考えられる。16年5月期増益予想、0.6倍近辺の低PBR、継続的な自己株式取得という株主還元姿勢を見直して反発のタイミングだろう。

■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開

 首都圏を中心として、電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開する持株会社である。小口多数販売や、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴としている。

 取扱商品や営業拠点網の拡充などで事業基盤強化を推進している。15年1月には小山営業所、15年6月には佐野営業所を開設した。

■新設住宅着工戸数など建設関連投資が影響

 15年5月20日期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(5月21日~8月20日)110億05百万円、第2四半期(8月21日~11月20日)115億38百万円、第3四半期(11月21日~2月20日)106億94百万円、第4四半期(2月21日~5月20日)120億34百万円で、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期6億円、第3四半期5億55百万円、第4四半期5億88百万円だった。

 新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が収益に影響しやすい。また15年5月20日期の配当性向は25.2%だった。ROEは14年5月20日期比0.7ポイント低下して5.8%、自己資本比率は同2.3ポイント低下して79.6%となった。

■16年5月期第1四半期は減収だが2桁増益、通期も増益基調

 今期(16年5月20日期)第1四半期(5月21日~8月20日)の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%減の108億09百万円だが、営業利益が同19.5%増の5億75百万円、経常利益が同16.7%増の7億65百万円、純利益が同18.7%増の4億54百万円だった。

 新設住宅着工戸数が緩やかに持ち直す動きが見られたが微減収だった。ただし粗利益率の改善や減価償却費の減少などが寄与して、営業利益、経常利益、純利益とも2桁増益だった。売上総利益率は20.7%で同0.1ポイント上昇、販管費比率は15.5%で同0.8ポイント低下した。

 通期の連結業績予想は前回予想(7月3日公表)を据え置いて、売上高が前期比0.1%増の453億円、営業利益が同3.9%増の23億10百万円、経常利益が同2.7%増の32億20百万円、純利益が同2.0%増の18億80百万円としている。配当予想も前回予想(7月3日公表)を据え置いて、前期と同額の年間52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。予想配当性向は24.6%となる。

 17年4月の消費税の追加増税を控えていることに加えて、長期化する円安に伴う原材料価格の上昇など厳しい事業環境が続くとして、微増収微増益の会社予想だ。

 ただし14年4月の消費増税の影響一巡、営業拠点網拡充や新規得意先開拓の効果、小口多数販売の強化、得意先営業活動支援サービスの体制・機能強化など、グループ総合力を活かした付加価値サービス拡充の効果での増収増益基調が期待される。

■株価は調整の最終局面

 なお8月17日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限50万株、取得価額総額の上限15億円、取得期間15年8月18日~16年7月31日)については、10月7日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって6100株(1株あたり2400円)を取得し、10月7日時点の累計取得株式総数6300株、累計取得価額総額1514万4800円となった。

 株価の動きを見ると、やや軟調展開で10月27日には2342円まで下押した。ただし8月25日の年初来安値2341円に接近して調整の最終局面だろう。

 10月27日の終値2348円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円53銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は2.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3671円89銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約268億円である。

 週足チャートで見ると、13週移動平均線が戻りを押さえる形となって水準を切り下げたが、8月の年初来安値に接近して、ほぼ1年近く続いた調整の最終局面と考えられる。16年5月期増益予想、0.6倍近辺の低PBR、そして継続的な自己株式取得という株主還元姿勢を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

翻訳センターはモミ合い上放れ、16年3月期増収増益・連続増配予想を見直し

 翻訳センター<2483>(JQS)は翻訳・通訳サービスなどを展開している。10月27日の株価は前日比560円(14.22%)高の4500円まで急伸する場面があった。モミ合いから上放れて強基調に回帰したようだ。16年3月期増収増益・連続増配予想を見直して7月の年初来高値5600円を目指す展開だろう。なお11月10日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。

■企業向け翻訳サービス事業を主力に業容拡大

 特許・医薬・工業・法務・金融分野を中心として企業向け翻訳サービス事業を展開している。また業容拡大に向けて、12年9月に通訳・翻訳・国際会議運営のアイ・エス・エス(ISS)を子会社化、13年6月にアイタスからIT関連のローカライゼーション/マニュアル翻訳事業の一部譲り受けた。14年10月には医薬品承認申請・取得に関するメディカルライティング業務を専門に受託する子会社パナシアを設立した。

 主力の翻訳事業では専門性の高い産業翻訳に特化している。グループ全体で約6300名の登録者を確保し、対応可能言語は約75言語と国内最大規模である。また取引社数は4000社、年間受注件数は5万9000件に達している。

 15年8月には、工業・ローカライゼーション営業部が「Microsoft Visual Studio2015日本語版」の実機翻訳レビューにおいて適切なフードバックを行った功績が認められ、マイクロソフト米国本社から表彰された。

 企業のグローバル展開加速を背景として、翻訳サービスの需要は企業の知的財産権関連、新薬開発関連、新製品開発関連、海外展開関連、IR・ディスクロージャー関連を中心に拡大基調である。

 子会社のISSは国際会議運営の実績も豊富である。外国人旅行客の増加や20年東京夏季五輪開催も背景として、通訳や国際会議の需要増加が期待される。

 15年7月には、米国の調査会社Commom Senese Advisory社発表の「世界の語学サービス会社ランキング2015」において4年連続でアジア1位にランクインしたと発表した。

■総合的な言語ソリューションを目指してM&A・アライアンスも積極化

 翻訳だけではなく、通訳、人材派遣、多言語コンタクトセンターなど総合的な言語ソリューションの提供を目指して、M&A・アライアンス戦略も積極化している。

 14年8月には、多言語対応コンタクトセンターサービスのディー・キュービックと、日本国内におけるマルチランゲージ・コンタクトセンターサービス(在日外国人を顧客とする企業や団体を対象とした通訳・翻訳サービス)に関して業務提携した。

 15年3月にはISSが100%所有する人材紹介事業のISSコンサルティングの全株式を、同社代表取締役関口真由美氏に譲渡すると発表した。協業関係は継続するとしている。

 15年4月には、ディー・キュービックの親会社キューアンドエーと合弁で新会社ランゲージワンを設立した。ディー・キュービックの多言語対応コンタクトセンターサービスを新会社ランゲージワンに移管し、センター運営およびサービスの強化を図る。

 15年7月には通訳者・翻訳者教育事業を展開するアイ・エス・エス・インスティテュートが、インバウンド需要の増加に対応すべく電話通訳オペレーター養成講座を開設した。

 また10月14日には、自動機械・電子機器の設計・製作事業およびドキュメントサービス事業を営むユースエンジニアリング(愛媛県)と、ドキュメントサービスにおける戦略的パートナーとして業務提携すると発表した。当社の翻訳サービス機能と同社のドキュメント制作機能を組み合わせて事業拡大を図る。

■第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)21億08百万円、第2四半期(7月~9月)22億53百万円、第3四半期(10月~12月)23億07百万円、第4四半期(1月~3月)25億23百万円、営業利益は第1四半期16百万円、第2四半期1億38百万円、第3四半期1億31百万円、第4四半期2億19百万円だった。

 第4四半期の構成比が高い収益構造としている。また15年3月期のROEは14年3月期比3.4ポイント上昇して10.4%となり、自己資本比率は同1.1ポイント低下して62.5%だった。配当性向は28.5%だった。

■16年3月期第増収増益基調

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月13日公表)は売上高が前期比3.3%増の95億円、営業利益が同8.9%増の5億50百万円、経常利益が同9.4%増の5億50百万円、純利益が同13.0%増の3億20百万円としている。配当予想は同5円増配の年間53円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は29.7%となる。

 第1四半期(4月~6月)は売上高が前年同期比横ばいの21億10百万円だったが、営業利益が同3.2倍の52百万円、経常利益が同3.0倍の49百万円、純利益が同13.4倍の14百万円だった。主力の翻訳事業の増収効果、派遣事業の損益改善などで大幅増益だった。

 セグメント別売上高を見ると、翻訳事業は医薬分野や金融・法務分野が好調で同3.8%増の15億61百万円、派遣事業は人材紹介事業の子会社売却などで同33.2%減の2億23百万円、通訳事業はIR関連が増加したが大手食料品企業からの受注減少で同0.3%減の1億62百万円、語学教育事業は同0.5%増の55百万円、コンベンション事業は「第7回太平洋・島サミット」などの受注で同2.4倍の74百万円、その他は同45.5%増の32百万円だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が22.2%、営業利益が9.5%、経常利益が8.9%、純利益が5.9%である。低水準の形だが第4四半期の構成比が高い収益構造であり、現時点ではネガティブ要因とはならない。主力の翻訳事業や通訳事業が好調に推移し、粗利率の改善も寄与して増収増益基調だろう。

■中期経営計画で18年3月期ROE10%以上目標

 15年5月に発表した第3次中期経営計画(16年3月期~18年3月期)では、目標数値に18年3月期売上高110億円、営業利益7億50百万円、純利益4億50百万円、ROE10%以上を掲げた。営業利益率については中期的に8%を目指すとしている。

 重点施策としては、顧客満足度向上のための分野特化戦略のさらなる推進、ビジネスプロセスの最適化による生産性向上、ランゲージサービスにおけるグループシナジーの最大化を推進する。需要は拡大基調であり、中期的に収益拡大基調だろう。

■株価はモミ合い上放れて強基調に回帰

 株価の動きを見ると、10月27日は前日比560円(14.22%)高の4500円まで急伸する場面があった。調整が一巡して4000円近辺でのモミ合いから上放れる動きだ。

 10月27日の終値4255円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS189円96銭で算出)は22~23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間53円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1671円18銭で算出)は2.5倍近辺である。なお時価総額は約72億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。そして10月27日の急伸で13週移動平均線を突破した。モミ合いから上放れて強基調に回帰したようだ。16年3月期増収増益・連続増配予想を見直して7月の年初来高値5600円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

Jトラストは積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価

Jトラストは積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価

 Jトラスト<8508>(東2)は金融事業を主力として、国内外におけるM&Aや事業再編で業容を拡大させている。株価は9月の戻り高値から反落して調整局面だが、8月の年初来安値まで下押すことなく調整一巡感を強めている。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。なお11月12日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。

■金融事業を中心に国内外でM&Aを積極活用して業容拡大

 国内金融事業(事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買取)を主力に、国内外でM&Aや債権承継などを積極活用し、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業などに業容拡大戦略を推進している。

 なお16年3月期から事業セグメントを再構成し、国内金融事業(保証および債権回収業)、韓国金融事業(銀行業、リース・割賦業、債権買取・回収業)、東南アジア金融事業(銀行業、販売金融業)からなる金融事業と、アミューズメント事業(アミューズメント施設運営、娯楽機器製造)、不動産事業(注文住宅建設、収益物件の仕入・販売)、その他非金融事業(ITシステム事業など)からなる非金融事業とした。

 従来の短期的なM&A型の事業拡大から、銀行業を中心とした持続的な利益拡大へのステージアップを目指して、国内外において事業基盤の強化に取り組む方針だ。

■国内金融事業は新規ビジネスも推進

 国内金融事業では、日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、Jトラストカード(11年8月楽天KCを子会社化、15年1月「KCブランド」事業を譲渡、14年3月に子会社化した個品割賦事業NUCSの「NUCSブランド」事業を承継、15年1月Jトラストカードに商号変更、15年5月完全子会社化)などを傘下に置いている。

 15年3月にはJトラストベンチャーキャピタル合同会社が、SmartEbook<2330>の第1回無担保転換社債型新株予約権付社債および第6回新株予約権を引き受けた。企業ニーズに応えるファイナンス支援や事業支援などを通じて支援先企業の企業価値向上を追求し、グループ成長に繋げる方針だ。

 15年4月には選択と集中の観点から、子会社クレディアの全株式を売却した。16年3月期第1四半期の個別決算で関係会社売却益を計上するが、連結業績への影響は軽微としている。

 また15年4月には、日本最大のビットコイン取引所を営むBTCボックスの第三者割当増資を引き受けて同社を持分法適用会社化した。日本国内のビットコイン決済圏の確立、海外取引所の創設、新興国における新たな決済手段の構築、ビットコインを活用した新規ビジネスの創出を目指すとしている。

■韓国金融事業は総合金融サービス展開に向けた事業基盤整備が完了

 韓国金融事業では、12年10月に貯蓄銀行認可を受けた韓国・親愛貯蓄銀行(15年7月JT親愛貯蓄銀行に商号変更)が、未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、13年1月韓国・ソロモン貯蓄銀行から、13年6月韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。

 また14年3月韓国・ハイキャピタル貸付および韓国・ケージェイアイ貸付を子会社化、14年8月韓国・ハイキャピタル貸付、韓国・ケージェイアイ貸付および韓国・ネオラインクレジット貸付(11年4月子会社化)の貸付事業を韓国・親愛貯蓄銀行に譲渡した。

 さらに15年1月には韓国スタンダードチャータード貯蓄銀行の全株式を取得(JT貯蓄銀行に商号変更)し、15年3月には韓国スタンダードチャータードキャピタルの全株式を取得(JTキャピタルに商号変更)した。これによって、韓国において総合金融サービスを展開するうえでの事業基盤の整備が図れたとしている。

 なおJTキャピタルは15年7月、住宅割賦金融債権の流動化(MBS)による資金調達(2000億ウォン=約214億円)を実施した。企業価値が韓国市場で認められ、従来のJトラストグループ依存から脱却し、今後の成長エンジンとなる資金調達方法の多様化が可能となった。

 また10月15日には、連結子会社のネオラインクレジット貸付およびハイキャピタル貸付の全株式を譲渡したと発表している。上記2社の正常債権は各貯蓄銀行に、不良債権はTA資産管理貸付有限会社に集中し、体制整備が完了したため株式譲渡を実施した。これによって上記2社は連結子会社から除外される。連結業績への影響は軽微としている。

■東南アジア金融事業はインドネシアに積極展開

 東南アジア金融事業では、13年12月シンガポールの子会社Jトラストアジアがインドネシアのマヤパダ銀行と資本業務提携、14年11月インドネシアのムティアラ銀行を連結子会社化(15年6月Jトラストインドネシア銀行に商号変更)した。

 15年5月にはJトラストアジアがオートバイ販売金融事業を展開するタイのGLの転換社債を引き受けた。またJトラストアジアの子会社Jトラスト・インベストメント・インドネシアを設立した。

 また10月23日には、Jトラストインドネシア銀行の不良債権(約220億円)をJトラスト・インベストメント・インドネシアに譲渡するとともに、当社によるJトラストインドネシア銀行が実施する増資の引き受け、およびJトラストアジアによるJトラストインドネシア銀行が発行する劣後債の引き受けを行ったと発表している。本件債権譲渡は当社子会社間の債権譲渡であるため連結業績への影響は軽微としている。

 なおアジアの不動産分野では、14年9月にシンガポールの不動産開発会社LCDの株式29.5%を取得して筆頭株主となったが、15年2月にLCDの大株主グループの1社であるAFグローバルが実施するTOBに応募して所有する全株式を譲渡した。

■非金融事業も強化

 非金融事業の国内不動産分野・アミューズメント分野では、アドアーズ<4712>(12年6月子会社化)を傘下に置いている。アドアーズは14年9月に韓国でカジノ事業を展開するJBアミューズメント(JBA)の第三者割当増資を引き受けて第2位株主となった。

 なおアドアーズは、14年11月に日本介護福祉グループを子会社化して介護事業に進出したが、8月11日に日本介護福祉グループの全株式を譲渡して介護事業を休止すると発表している。

■M&A・事業再編や不良債権処理などで収益変動

 15年3月期(日本基準)の四半期別推移を見ると、営業収益は第1四半期(4月~6月)159億28百万円、第2四半期(7月~9月)160億51百万円、第3四半期(10月~12月)161億41百万円、第4四半期(1月~3月)151億61百万円で、営業利益は第1四半期3億58百万円の赤字、第2四半期22億74百万円の赤字、第3四半期6億89百万円の赤字、第4四半期18億96百万円の赤字だった。

 韓国・親愛貯蓄銀行で事業基盤強化に向けて積極的に不良債権処理を進めたことや、韓国JT貯蓄銀行および韓国JTキャピタルの株式取得が遅れたことなどで営業赤字、経常赤字だった。純利益は負ののれん発生益計上で黒字だった。M&A・事業再編や不良債権処理などで収益が大幅に変動する可能性がある。

■16年3月期(IFRS任意適用)は黒字予想

 今期(16年3月期)の連結業績予想(IFRSを任意適用、5月25日公表)は営業収益が819億円、営業利益が75億円、純利益が47億円の黒字予想としている。日本基準の前期(15年3月期)実績は営業収益が632億81百万円、営業利益が52億17百万円の赤字、経常利益が23億85百万円の赤字、純利益が101億43百万円の黒字だった。

 配当予想(5月14日公表)は前期比2円増配の年間12円(第2四半期末5円、期末7円)としている。予想配当性向は30.2%となる。

 第1四半期(4月~6月)は営業収益が前年同期比22.4%増の194億90百万円、営業利益が19億51百万円の赤字(前年同期は3億58百万円の赤字)、経常利益が15億85百万円の赤字(同2億94百万円の赤字)、純利益が27億89百万円の赤字(同3億95百万円の赤字)だった。営業収益は概ね計画水準だったが、Jトラストインドネシア銀行の収益改善遅れなどで営業利益は計画を下回ったようだ。

 営業収益は、国内金融事業でKCカードやクレディアなどが連結除外となったため減収だが、一方で韓国や東南アジアにおいて連結子会社が増加し、JT親愛貯蓄銀行の収益増加なども寄与して大幅増収だった。

 利益面では、韓国金融事業が営業黒字化したが、Jトラストインドネシア銀行の新規連結、および貸倒引当金追加繰入、のれん償却などで全体として営業赤字が拡大した。

■中期経営計画で18年3月期ROE10.0%目標

 15年5月発表の中期経営計画では、中期ビジョンとして「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業を目指す」を掲げ、目標数値は最終18年3月期の営業収益1421億円、営業利益217億円、ROE10.0%とした。

 持続的に事業拡大が望めるアジアでの銀行業からの利益貢献を中心として、成長市場におけるIRR15%以上の投資案件をターゲットに3年間で500億円~1000億円の投資を目指す。また株式価値の最大化を経営の最重要課題の一つとして位置付け、株価が割安であると判断したときには機動的に自社株買いを実施する。

 国内金融事業では消費者金融事業を縮小し、不動産関連の信用保証事業および債権回収事業を拡大するとともに、M&Aを活用して新分野への進出を目指す。韓国金融事業ではグループ内の相互連携を通じて各事業を有機的に連携させ、債権残高積み増しと収益拡大に取り組む。東南アジア金融事業では、Jトラスト銀行インドネシアの不良債権回収事業の収益強化と財務健全性の向上に取り組むとともに、さらなるM&Aを推進する方針だ。

 中期成長に向けてM&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、当面はM&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性がありそうだ。ただし韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で、中期的に収益拡大が期待される。

■株価は9月の戻り高値から反落したが調整一巡感

 なお5月14日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限625万株、取得価額総額の上限75億円、取得期間15年5月26日~16年3月31日)については、9月30日時点で累計取得株式総数361万3300株、累計取得価額総額36億4615万6500円となっている。

 また5月14日には、当社筆頭株主である当社代表取締役藤澤信義氏より、今後の株価動向やその他の市場環境如何によっては、市場内立会取引によって当社株式を買い増す意向があることについて説明を受けたとしている。当然のことではあるが同氏は、金融商品取引法その他関連法令の規制を遵守するとしている。

 株価の動きを見ると、株価は9月の戻り高値1135円から反落して調整局面だが、8月の年初来安値890円まで下押すことなく、1000円近辺で推移して調整一巡感を強めている。

 10月28日の終値984円を指標面で見ると、今期予想連結PER(今期会社予想の連結EPS39円77銭で算出)は24~25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1591円09銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1168億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となった。そして再び13週移動平均線を割り込んだ。ただし8月の年初来安値水準まで下押す動きは見られない。1000円近辺が下値支持線のようだ。積極的な業容拡大戦略や自己株式取得を評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

アスカネットは戻り高値から反落だが売られ過ぎ感、空中結像AIプレートは着実に進展



 アスカネット<2438>(東マ)は写真加工関連事業が安定収益源で、新規分野の空中結像AIプレート事業も製品化に向けて着実に進展している。株価は9月の戻り高値から反落して調整局面だが、ほぼ一本調子に下落して売られ過ぎ感も強めている。16年4月期増収増益・増配予想も見直して反発のタイミングだろう。

■写真加工関連事業が安定収益源、新規事業も育成

 葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス(MDS)事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス(PPS)事業を主力としている。

 MDS事業では葬儀社や写真館との間にネットワークを構築し、約2130ヶ所の葬儀社向けBtoBを中心として、年間約32万枚の写真画像を提供している。PPS事業では「1冊からの本格的写真集」をインターネットから受注して制作し、約3400社の写真館向けを中心として、BtoBおよびBtoCで年間約36万冊を提供している。

 遺影写真のMDS事業は葬儀関連、写真集のPPS事業はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。

 さらにエアリアルイメージング(AI)事業や、NTTドコモ<9437>向けフォトブック・プリント商品のOEM供給など、新規事業・サービスの育成にも注力している。

■空中結像AIプレート事業は製品化に向けて着実に進展

 新規事業の空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートは、画像映像を表す光を受け、特殊なパネルを通過することによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。AIプレートだけで空中ディスプレイが可能となるシンプルな構造が特色であり、サイネージ関連をはじめとして車載、医療、操作パネル、飲食、アミューズメントなど多方面の業界・業種から注目されている。

 独自技術を強固にするため特許申請も進め、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。そして基本技術を確立し、AIプレート試作品の販売を進めながら、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。

 15年4月に「AIプレート量産技術の現状と今後の方向性」を発表した。AIプレート量産については、ガラス素材による量産と樹脂素材による量産に分けられ、それぞれ複数の協力会社と取り組んでいる。

 ガラス素材プレートはコストおよび量産性が相対的に劣るものの、結像品質は相対的に優れている。逆に樹脂素材プレートはコストおよび量産性が相対的に優れており、結像品質は想定的に劣る。両素材に一長一短があるため、並行して量産技術の確立に挑んでいる。

 当社が想定している第一段階の量産は、リスク等を考慮して現有の設備やラインを最大限に活用することを前提としており、いきなり大規模・大ロットの量産を指向していない。複数の製造方法のうち最も優れた方法が明確になった時点で、専用ラインの立ち上げなどにより多量の量産が可能な体制を段階的に構築する方針としている。

 ガラス素材プレートについては、複数の製造方法の中で現在β版の製作に取り掛かっており、順調にいけば15年夏~秋に量産が開始できる見込みだ。樹脂素材にプレートについては、試作品の製造手法とは全く異なる新しい方法にトライして、素材から開発しているため技術課題の解決に多くの時間を要している。技術課題が解決しだいα版の開発に取り掛かり、15年秋~冬の量産開始を目標としている。また視野角拡大タイプの詩作も行うようだ。

 AIプレートは素材であるため、AIプレート供給先がAIプレートを活用して商品化することが量産の前提となる。したがってAIプレート供給先の実際の商品化までは一定の時間を要する可能性がある。このため16年4月期は小ロット案件を中心に確実に案件を積み重ね、その後の大ロット案件に繋げたいとしている。

 10月7日~10日開催「CEATEC JAPAN 2015」では、米インテル、NECソリューションイノベータ、NHKメディアテクノロジー、東京大学の協力を得て、先進的な技術との融合によりAIプレートが創りだす近未来を具体的に提案した。また1m四方の大型AIプレートを使用した迫力ある空中結像とインタラクティブな操作なども展示した。

■NTTドコモ向けOEM供給を開始

 15年5月には、NTTドコモが新たに開始する「フォトコレクションプラス」向けに、フォトブックおよびプリント商品の独占OEM供給を開始した。PPS事業において新たなサービスを開始することにより、急速に拡大しているスマートフォンによる写真アウトプット市場にも本格的にターゲットを拡大していくとしている。

 なお14年12月開始した新しいギフトサービスシステム「ギフトネットコム」は15年4月末に新規のギフトコードの販売を終了した。販売済みギフトコードの交換は15年10月末に終了する。販売実績が予想を下回る水準で推移して短期的には収益改善が見込めないことから、サービス開始後短期間だが終了の早期決断が望ましいとの結論となった。そして15年4月期に減損損失77百万円を計上した。

■第3四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造

 15年4月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(5月~7月)11億70百万円、第2四半期(8月~10月)11億55百万円、第3四半期(11月~1月)14億16百万円、第4四半期(2月~4月)12億37百万円、営業利益は第1四半期1億55百万円、第2四半期1億26百万円、第3四半期2億60百万円、第4四半期97百万円だった。

 葬儀関連、ウエディング関連、卒業・入学イベント関連などで第3四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造だ。また15年4月期のROEは14年4月期比1.4ポイント低下して11.3%、自己資本比率は同1.1ポイント上昇して85.6%となった。配当性向は31.5%だった。

■16年4月期増収増益・増配予想

 今期(16年4月期)の非連結業績予想(6月9日公表)は、売上高が前期比8.9%増の54億22百万円、営業利益が同14.1%増の7億28百万円、経常利益が同13.8%増の7億32百万円、純利益が同13.4%増の4億81百万円としている。配当予想は同1円増配の年間9円(期末一括)で予想配当性向は31.2%となる。基本方針として配当性向30%を目安としている。

 セグメント別売上高の計画は、MDS事業が同4.5%増の23億84百万円、PPS事業が同10.0%増の29億01百万円、AI事業が同2.4倍の1億33百万円、その他が3百万円としている。

 売上面では既存分野のMDS事業、PPS事業が引き続き順調に推移して増収基調だ。PPS事業ではOEM供給の本格化も寄与する。新規分野のAI事業では人員体制を増強して営業活動を開始し、試作品やガラス素材の小ロット量産品の販売を見込んでいる。

 利益面では、OEM供給に関しては本格的な製品供給に向けてコストが先行するため初年度は赤字を見込み、また「ギフトネットコム」も10月までは商品交換のためのサービスを継続するため一定のコストが発生する。ただし全体としては増収効果に加えて、有形固定資産の減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)も寄与して増益予想だ。

 第1四半期(5月~7月)の非連結業績は、売上高が前年同期比2.3%増の11億97百万円、営業利益が同26.7%減の1億14百万円、経常利益が同26.0%減の1億16百万円、純利益が同21.4%減の78百万円だった。売上高が想定をやや下回り、OEM供給立ち上げに伴う先行費用、会社設立20周年記念行事費用なども影響して減益だった。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、MDS事業は売上高が同3.6%増の5億40百万円、営業利益が同0.4%増の1億53百万円だった。売上面では遺影写真作成件数が想定ほど伸びなかったが、コスト面における人件費のコントロールなどでカバーした。

 PPS事業は売上高が同1.5%増の6億43百万円だったが、営業利益が同16.6%減の1億06百万円だった。OEM件数が想定を下回ったことに加えて、OEM供給体制確立に伴って人件費や減価償却費などが増加した。

 AI事業は売上高が同15.4%減の12百万円、営業利益が26百万円の赤字(前年同期は16百万円の赤字)だった。従来試作品から量産試作品への切り替えが遅れたことなどで売上高が想定を下回り、一方では量産試作のための開発費が増加した。その他事業は4月末で「ギフトネットコム」の新規販売を終了して売上高が1百万円、営業利益が8百万円の赤字だった。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が22.1%、営業利益が15.7%、経常利益が15.9%、純利益が16.2%である。やや低水準の形だが、第3四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造であり、現時点では特にネガティブ要因とはならない。通期ベースで2桁増益基調に変化はないだろう。

■株価は9月の戻り高値から反落して調整局面だが売られ過ぎ感

 株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して自社サービス(マイブック)の割引利用券を贈呈している。14年11月1日付株式4分割後100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。

 株価の動きを見ると、9月30日の戻り高値2829円から反落して調整局面となった。そして10月28日には1790円まで下押した。ただし9月の戻り高値からほぼ一本調子に下落して売られ過ぎ感も強めている。

 10月28日の終値1796円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS28円88銭で算出)は62倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は0.5%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS230円69銭で算出)は7.8倍近辺である。時価総額は約314億円である。

 週足チャートで見ると再び26週移動平均線と13週移動平均線を割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が17%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。空中結像AIプレート事業は製品化に向けて着実に進展している。16年4月期増収増益・増配予想も見直して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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[10月29日更新]

インフォマートは10月26日付で東証1部に市場変更、中期成長シナリオに変化なし

 インフォマート<2492>(東1)はフード業界向け企業間(BtoB)電子商取引プラットフォームをベースに各種システムを提供している。10月26日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更した。株価は公募増資による希薄化を嫌気する動きになったが、15年12月期増収増益基調で中期成長シナリオに変化はない。調整一巡して反発展開だろう。なお10月30日に第3四半期累計(1月~9月)の業績発表を予定している。

■フード業界向け企業間ECプラットフォームが主力

 フード業界向けの企業間(BtoB)電子商取引(EC)プラットフォーム「FOODS info Mart」をベースとして、ASP受発注システム(飲食店チェーンと食材卸売の間の受発注)、ASP規格書システム(食の安全・安心の商品仕様書DB)、ASP商談システム(BtoB専用の販売・購買システム)などをネット経由で提供している。

 14年11月には全ての業界・企業に対応し、企業間の請求書を電子化して請求業務をWeb上で行える「BtoB電子請求書プラットフォーム」(旧名称ASP請求書システム)を開始した。そして15年9月には支払通知書を電子化した「通知書機能」を追加リリースした。

 さらにサービス拡充の一環として、フード業界企業向け総合マーケティングサービス「BtoB F-Marketing」や、フード業界向け情報発信の総合ポータルサイト「フーズチャネル」も開始している。

 なお15年12月期から事業セグメント区分を変更してASP受発注事業(ASP受発注システム)、ASP規格書事業(ASP規格書システム)、ES事業(ASP商談システム、BtoB電子請求書プラットフォーム)、その他(クラウドサービス事業、海外事業)とした。

 子会社はインフォライズがクラウドサービス事業、インフォマートインターナショナル(香港)が海外「FOODS info Mart」事業を展開している。なお15年3月に日立システムズとの合弁事業契約を解消し、インフォライズに対する日立システムズ出資分49%を譲り受けてインフォライズを完全子会社化した。

■利用企業数、取引高、そして月額システム使用料収入は増加基調

 15年6月末時点の「FOODS info Mart」利用企業数(海外事業除く)は、14年12月末比959社増加の3万8119社(売り手企業が同956社増加の3万875社、買い手企業が同3社増加の7244社)となった。また15年6月末の利用事業所数は20万834事業所で、フード業界全体118万6312事業所に対するシェアは16.9%となった。

 そして「FOODS info Mart」年間取引高は14年に13年比1188億円増加の9806億円となり、外食産業における仕入金額ベースのシェアは13年の12.4%から14年の13.6%に上昇した。また15年1月~6月の取引高は5378億円となり、中期目標として掲げた年間システム取引高1兆円は15年に達成が濃厚となっている。

 なお15年6月末時点のBtoB電子請求書プラットフォームの利用企業数は14年12月末比285社増加の581社(受取モデル企業が同225社増加の424社、発行モデル企業が同60社増加の157社)となった。

 顧客企業はネット環境さえあれば月々低料金で最新サービスを利用できるため、大手の食材卸売企業や外食・中食チェーンも利用し、電話やFAXからWebに切り替えて受発注する企業・店舗が増加基調だ。そして利用企業数の増加に伴って月額システム使用料収入が増加するストック型収益構造である。

■業界標準化に向けたシステム連携や他業界向けプラットフォームも推進

 中期成長を加速させる戦略として、業界標準化に向けたシステム連携によるフード業界向けBtoBビジネスの強化、ASP受発注システムの業態およびエリアの拡大、他業界BtoB展開としての美容業界向け「BEAUTY info Mart」や医療業界向け「MEDICAL info Mart」による事業領域拡大、次世代BtoB&クラウドプラットフォームの拡販、顧客ニーズに対応した新機能・サービスのリリース、そして海外事業などを推進している。

 アライアンス戦略では13年5月にJFEシステムズ<4832>、13年6月に東芝テック<6588>、13年11月に東京システムハウス、14年10月にヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマトシステム開発とデータ連携した。

 15年1月には全国の商工会議所・商工会等が運営する「ザ・ビジネスモール(B-MALL)」の事務局を務める大阪商工会議所と、全国の企業へ電子請求を推進することを目的として業務提携した。BtoB電子請求書プラットフォームによる企業のコスト削減・効率化で企業の利益アップを応援する。

 15年4月には企業の受発注・請求業務の生産性向上を提供するため、内田洋行<8057>やミロク情報サービス<9928>など19社24ソリューションが提供する販売管理・会計・店舗管理システムとのデータ連携を強化した。利便性の高いビジネスインフラの提供を目指して今後も連携サービスを拡大し、3年後までに利用企業数100万社を目指すとしている。

 さらに企業の受発注業務、請求業務、会計処理などにおける生産性向上を提供し、BtoB標準のプラットフォームを実現するため、他社とのシステム連携戦略を強化している。

 15年8月には、ICSパートナーズのICS会計ERP「OPEN21de3」シリーズ、マネーフォワードの「MFクラウド会計・確定申告」とシステム連携した。

 さらに10月6日日本ビズアップ(東京都)の「クラウド発展会計」、10月15日ザ・コンピュータ(横浜市)の「ベストパートナー」、10月21日アイパス(札幌市)の「Advance Pro Foods」、10月27日共栄システム(大阪市)の「運坊」シリーズとのシステム連携を開始した。

■ストック型収益構造

 なお14年12月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)11億57百万円、第2四半期(4月~6月)12億06百万円、第3四半期(7月~9月)12億66百万円、第4四半期(10月~12月)13億48百万円、営業利益は第1四半期4億23百万円、第2四半期4億17百万円、第3四半期5億46百万円、第4四半期5億57百万円だった。

 利用企業数の増加に伴ってシステム使用料収入が積み上がるストック型収益構造であり、売上高、利益とも拡大基調だ。また14年12月期の配当性向は49.1%、ROEは13年12月期比11.7ポイント上昇して32.3%、自己資本比率は同5.5ポイント上昇して70.8%だった。

■15年12月期も増収増益基調

 今期(15年12月期)の連結業績予想(2月13日公表)は、売上高が前期比19.5%増の59億48百万円で、営業利益が同17.4%増の22億83百万円、経常利益が同16.2%増の22億79百万円、そして純利益が同19.3%増の14億04百万円としている。

 各システムの利用拡大に伴ってシステム使用料が順調に増加し、サーバ増強に伴うデータセンター費の増加、新システムリリースに伴うソフトウェア償却費の増加、事業成長に向けた人員増に伴う人件費増加などを吸収して2桁増収増益見通しだ。

 セグメント別売上高の計画は、ASP受発注事業が同12.5%増の33億13百万円、ASP規格書事業が同31.8%増の9億77百万円、ES事業が同28.3%増の15億39百万円、その他が同29.3%増の1億19百万円としている。

 配当予想(2月13日公表)については年間11円76銭(第2四半期末5円88銭、期末5円88銭)としている。15年1月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前期比2円07銭増配で予想配当性向は50.6%となる。配当方針は個別業績に応じた基本配当性向50%としている。

 第2四半期累計(1月~6月)は、売上高が前年同期比14.8%増の27億14百万円で、営業利益が同17.5%増の9億88百万円、経常利益が同18.8%増の9億91百万円、純利益が同21.8%増の6億12百万円だった。全体として計画をやや下回ったが、システム使用料が順調に増加して償却費や人件費(新卒採用中心)の増加などを吸収した。

 セグメント別の売上高は、ASP受発注事業が同13.6%増の15億91百万円、ASP規格書事業が同30.3%増の4億54百万円、ES事業が同10.6%増の6億24百万円、その他が同4.0%減の64百万円だった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(1月~3月)13億10百万円、第2四半期(4月~6月)14億04百万円、営業利益は第1四半期5億11百万円、第2四半期4億77百万円だった。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.6%、営業利益が43.3%、経常利益が43.5%、純利益が43.6%である。低水準の形だが、システム使用料収入が積み上がるストック型収益構造であることを考慮すれば、概ね順調な水準と言えるだろう。各システムの利用企業数、システム取引高とも順調に増加して、システム使用料収入は増加基調であり、増収増益基調に変化はない。

 今期の重点施策として、フード業界BtoBのシェア拡大を加速して「FOODS info Mart」利用企業数4万社を目指し、電子請求プラットフォームのデファクト化を推進する方針だ。業界標準化の進展、システム連携の強化、サービスの拡充、ホテル・給食業界への利用企業開拓、さらに新規分野への事業展開なども寄与して中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は公募増資による希薄化を嫌気したが調整一巡

 なお9月1日に当社に対する訴訟提起(15年8月4日付)を発表した。ASP規格書システムの開発において業務提携したeBASE<3835>から一方的に提起されたが、本システムの著作権が当社に帰属している等の事実に基づき、裁判で粛々と当社の正当性を明らかにするとしている。

 また10月5日に、新株式発行(410万5800株)、公募による自己株式処分(39万4200株)、オーバーアロットメントによる株式売出し(67万5000株)を発表した。発行価格(10月13日公表)は1120円となった。調達資金はシステム開発・バージョンアップ費用などに充当する。

 株価の動き(15年10月26日付で東証1部へ市場変更)を見ると、9月7日の直近安値1004円から10月1日の1386円まで切り返したが、公募増資による希薄化を嫌気して反落した。28日には1103円まで下押す場面があった。ただし終値では1140円まで戻している。調整が一巡したようだ。

 10月28日の終値1140円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想に新株式発行を考慮した連結EPS21円64銭で算出)は52~53倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円76銭で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績に新株式発行を考慮した連結BPS62円12銭で算出)は18倍近辺である。時価総額は約739億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、一方では52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。15年12月期増収増益基調で中期成長シナリオに変化はない。調整一巡して反発展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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