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10月16日 個別銘柄情報 [3199]綿半ホールディングス

[10月16日更新]

綿半ホールディングスは16年3月期業績予想の大幅増額修正を発表

 綿半ホールディングス[3199](東2)はホームセンター事業や建設事業などを展開するグループ持株会社である。15日に16年3月期業績予想の大幅増額修正を発表した。株価は悪地合いの影響を受ける場面があったが切り返しの動きを強めている。通期業績予想は再増額の可能性が高く、8月の上場来高値1035円を試す展開だろう。なお10月29日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。

■ホームセンター事業や建設事業などを展開するグループ持株会社

 1598年(慶長3年)に初代・綿屋半三郎が長野県飯田市で創業した綿商いから400年以上の歴史を有している。現在は持株会社に移行して、事業会社の綿半ホームエイドが長野県中心にチェーン展開するホームセンター事業、綿半鋼機および綿半テクノスが展開する建設事業、10年に子会社化したミツバ貿易が医薬品原料などを輸入販売する貿易事業を展開している。

 15年3月期の売上構成比は、ホームセンター事業が54.7%、建設事業が40.5%(内訳は内外装工事が43.9%、立体駐車場が14.9%、鉄構分野が21.2%、建設資材販売が13.0%など)、貿易事業が4.5%、その他事業(不動産賃貸事業)が0.3%である。

■ホームセンター事業は長野県中心にスーパーセンター業態を積極展開

 綿半ホームエイドがチェーン展開するホームセンター事業は、1977年にホームセンター業態1号店(長池店)をオープンし、07年からは生鮮食品や惣菜など食品の品揃えを強化したスーパーセンター業態の出店を開始して積極展開している。

 15年3月期末の店舗数はスーパーセンター業態8店舗、ホームセンター業態8店舗の合計16店舗(長野県15店舗、愛知県1店舗)で、15年5月に「綿半スーパーセンター豊科店」をオープンして合計店舗数は17店舗となった。さらに15年11月には18店舗目「綿半スーパーセンター塩尻店」のオープンを予定している。

 長野県内で唯一生鮮食品を扱うホームセンターであり、NB商品を中心に地域特性に合わせた豊富な品揃え、価格競争力、ブルーカード(長野県内の主要な小売業やサービス業が加盟するポイントカード)による顧客囲い込みなど、ELP戦略を武器とした個店競争力の高さを強みとしている。サービス面ではカーピットを併設してカー用品取り付け・タイヤ交換やメンテナンスを行っていることも特徴だ。

 なお品目別売上構成比を見ると、09年2月期は食品が30.2%、非食品が69.8%だったが、15年3月期は食品が50.3%、非食品が49.7%で食品が非食品を上回った。スーパーセンター業態の新規出店によって食品の売上構成比が上昇している。

■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み

 綿半鋼機と綿半テクノスは、建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開している。長尺屋根工事などの外装改修工事および自走式立体駐車場工事に強みを持つ。

 長尺屋根工事では、工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行うWKカバー工法で特許を取得し、企業の工場・倉庫・物流センター、商業施設、駅舎関連などに豊富な工事実績を誇っている。自走式立体駐車場工事では、柱の少ない認定品「ステージダブル」など国土交通省の認定を多数有していることが強みであり、大型SCの立体駐車場などの工事実績が豊富である。

■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを輸入販売

 10年に子会社化したミツバ貿易は、医薬品・化成品向け天然原料の輸入専門商社で、ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など、特定分野に強みを持っている。

 製造部門も有しており、医薬品分野ではHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。メキシコではキャンデリラワックスの精製工場を保有している。宝飾品部門は15年3月に撤退した。

■15年3月期のROEは15.4%と高水準

 なお主力のホームセンター事業の15年3月期既存店売上高は14年3月期比94.5%、既存店客数は同97.9%、既存店客単価は同96.5%だった。建設事業は第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造である。

 15年3月期の配当性向は9.6%、ROEは14年3月期比1.6ポイント上昇して15.4%、自己資本比率は同4.5ポイント上昇して15.4%だった。

■16年3月期業績の会社予想を大幅増額修正、通期は再増額の可能性

 10月15日に今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)および通期の連結業績予想の大幅増額修正を発表した。

 第2四半期累計の連結業績予想は、前回予想(5月14日公表)に対して、売上高が12億80百万円増額して前年同期比6.5%増の426億73百万円、営業利益が5億79百万円増額して同4.3倍の7億81百万円、経常利益が6億12百万円増額して同3.2倍の8億92百万円、純利益が4億03百万円増額して同2.9倍の5億95百万円とした。

 ホームセンター事業においては、4月~5月の好天で飲料や園芸用品が好調に推移し、9月からの冷え込みによって秋物関連商品が好調な滑り出しとなった。また食品廃棄ロス率の改善など、原価低減策の効果で売上総利益率が改善したようだ。建設事業においては、前期からの繰り越し大型案件である自走式立体駐車場建設工事が順調に進捗した。また建築鉄骨を中心に、比較的利益率の高い案件が第2四半期累計に集中したことも、利益押し上げ要因となったようだ。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月14日公表)に対して、売上高が6億67百万円増額して前期比6.2%増の887億68百万円、営業利益が2億51百万円増額して同35.9%増の13億83百万円、経常利益が2億84百万円増額して同35.0%増の15億37百万円、純利益が1億12百万円増額して同5.5%減の12億60百万円とした。

 第2四半期累計の業績予想を勘案したうえで、ホームセンター事業における新規出店コスト、建設事業における大型案件の工事進捗、コスト面における諸経費などの見直しを行った。純利益については、繰延税金資産計上効果の減少(15年3月期6億円計上、16年3月期2億円計上予定)が影響するが、期初計画に比べて減益幅が縮小する見込みだ。

 ホームセンター事業の新規出店は、5月「綿半スーパーセンター豊科店」および11月「綿半スーパーセンター塩尻店」のスーパーセンター業態2店舗である。ホームセンター事業の月次売上状況(前年同月比、速報値)を見ると、15年9月は全店105.4%、既存店100.5%、15年4月~9月累計は全店107.5%、既存店103.7%と好調に推移している。

 なお計算上は、上期(4月~9月)の大幅増額修正に対して、下期(10月~3月)を減額修正した形になるが、会社予想には保守的な印象が強く、通期連結業績予想は再増額の可能性が高いだろう。

 配当予想については前回予想(5月14日公表)を据え置いて、前期と同額の年間15円(期末一括)としている。予想配当性向は12.9%となる。配当についてはグループの業績や内部留保の充実などを勘案したうえで、安定的な配当を継続して実施することを基本方針としている。

■景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を目指す

 中期ビジョンでは基本方針に「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」を掲げ、多様性のある経営人財の育成、IT化推進による経営改革、M&A推進のための財務体質強化、長期を見据えた海外展開の準備に取り組んでいる。

 ホームセンター事業では、近隣県への進出も含めて本格的な多店舗展開(当面の目標100店舗体制)に向けた体制作りの期間として、出店スピード加速のための体制整備や新フォーマット店舗の開発に取り組んでいる。

 体制整備では、店舗オペレーションの効率化、パートナーのプロ化(パートのスキルアップ)、発注精度の向上、物流ネットワークの整備・強化、本部バックアップ体制の整備などを推進する。

 新フォーマット店舗の開発では、限られた売場面積の中で地域特性に合わせた品揃えを強化するため、小型スーパーセンター業態や超小型店業態の開発を推進している。15年4月にはホームセンター業態の「綿半ホームエイド川中島店」(売場面積2000㎡)に生鮮食品を加えて、小型スーパーセンター業態としてリニューアルオープンした。

 また商品面では、長野ブランド(健康・自然)を活かした商品政策(健康を意識した商品政策、長野県ブランドを活かした商品開発)にも取り組む。

 建設事業では、デザインセンターを活用した提案営業や施主に対する直接営業の強化、技術ノウハウを活かした新製品の継続的開発や付加価値の提供などで、採算を重視しながら受注拡大に繋げる。また遠隔地の案件に対しては、施工代理店方式(当社が開発した冶具・ノウハウを提供)も活用して、エリア・顧客基盤の拡大に取り組む方針だ。

 リニア新幹線の停車駅となる長野県飯田市を発祥とする老舗企業であり、高い信用力を背景として、リニア新幹線・駅舎および周辺関連工事の受注も期待される。

 貿易事業では、利益率の高い医薬品分野を中心として、ニッチ市場における新商品の開発を強化する。

 中期経営計画は未策定だが、中長期ビジョンとして売上高1000億円、経常利益20億円程度を当面の目標としてイメージしているようだ。アベノミクス「地方創生」戦略やリニア新幹線なども追い風であり、ホームセンター事業における新フォーマット開発や多店舗展開が牽引して、中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は強基調に回帰して8月の上場来高値試す

 なお8月12日に株主優待制度の導入を発表した。毎年9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、3点(ホームエイド店舗で利用できるポイント2倍カード、2000円相当の長野県特産品1点、社会貢献活動への2000円寄付)の中から1点を選択する。15年9月30日現在の株主を対象として開始した。

 株価の動きを見ると、悪地合いが影響した8月25日の直近安値781円から反発した。10月以降は900円台前半の水準でやや小動きだが、着実に下値を切り上げている。

 10月15日の終値939円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS127円79銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1009円63銭で算出)は0.9倍近辺である。なお時価総額は約93億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。強基調に回帰したようだ。16年3月期通期業績の会社予想は再増額の可能性が高く指標面の割安感も強い。8月の上場来高値1035円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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